「Claude Codeって最近また大きく変わったけど、何が増えたの?」
2026年3月、Claude Codeは怒涛のアップデートラッシュを迎えた。バージョン番号だけで2.1.68から2.1.80まで約10個以上のリリースが積み重なり、音声入力・定期実行・超大規模コンテキスト・Agent SDKと、開発ワークフローを根本的に変えうる機能が次々と追加された。
「全部追うのが大変」という声もよく聞くので、この記事では3月の主要アップデートをQ&A形式で整理した。
/voice コマンドで何ができるようになったのか
3月3日ごろから段階的にロールアウトが始まった音声モードは、/voiceコマンドで起動する。仕組みはシンプルなプッシュトーク(PTT)方式だ。
- スペースバーを押し続けると録音が始まる
- 指を離すと音声が送信され、Claude Codeが処理する
- キーバインドは
keybindings.jsonでカスタマイズ可能(例:meta+k)
3月18日(v2.1.79)の更新で対応言語が20言語に拡大し、ロシア語・ポーランド語・トルコ語・オランダ語・ウクライナ語・ギリシャ語・チェコ語・デンマーク語・スウェーデン語・ノルウェー語が新たに加わった。WSL2(Windows Subsystem for Linux with WSLg)環境でのサポートも同時に追加されている。
キーバインドのカスタマイズは keybindings.json に以下のように追加する。
// ~/.config/claude-code/keybindings.json
// 注意: 本番環境で使用する前に、必ずテスト環境で動作確認してください。
[
{
"key": "meta+k",
"command": "voice:pushToTalk",
"when": "chatInputFocused"
}
]
実際に使ってみて便利だと感じるシーンは、長いプロンプトを口頭で素早く入力するケースだ。タイプミスを気にせず思考を話しながら入力できるので、PoC段階の試行錯誤が明らかに速くなる。
ただし現時点(2026-03-20)ではまだロールアウト途中で、ウェルカム画面に通知が表示されてから使えるようになる仕組みになっている。
/loop とは何か — 何が変わるのか
3月7日(v2.1.71)に追加された/loopコマンドは、指定したプロンプトまたはスラッシュコマンドを一定間隔で繰り返し実行するセッション内クーロンだ。
# /loop の基本構文
/loop [間隔] [プロンプトまたはスラッシュコマンド]
# 例1: 5分ごとにデプロイ状況を確認
/loop 5m check the deploy
# 例2: 10分ごとにテストを実行
/loop 10m run tests and report failures
# 例3: 1時間ごとにAPIエラーログを確認
/loop 1h check error logs and summarize new issues
動作環境: Claude Code v2.1.71以上
注意: セッションを閉じるとループも停止する。永続的なモニタリングにはOSレベルのcronまたはCI/CDを使うこと。
使い方の実践パターンとして有用なのは、長時間のビルドやデプロイ中の「放置監視」だ。ビルドキューに入れて別の作業をしながら、Claude Codeに進捗を定期チェックさせておくと、完了・エラーの検知をテキストで受け取れる。
Opus 4.6のデフォルト出力64K・最大128Kとは
3月17日(v2.1.77)のアップデートで、Opus 4.6の出力トークン設定が大幅に引き上げられた。
| 設定項目 | 旧値 | 新値(v2.1.77以降) |
|---|---|---|
| デフォルト最大出力トークン | (未公開) | 64,000トークン |
| 上限出力トークン | 32,000トークン前後 | 128,000トークン |
| 対応モデル | — | Opus 4.6・Opus 4.5(両方) |
128Kトークンの出力上限は、大規模コードの一括生成・長大なドキュメント作成・大量ファイルの一括リファクタリングを単一リクエストで完結させられる水準だ。特に「関連ファイルを横断してすべて修正して」という依頼をよく出す開発者にとっては体感が変わる。
なおこれとは別に、3月4日(v2.1.68)の更新でOpus 4.6のデフォルト思考レベルが「medium effort」に設定された(Max・Teamサブスクライバー向け)。高負荷タスクにはultrathinkキーワードを次のターンで使うことで、一時的にhigh effortを有効化できる。
1Mコンテキストが標準価格でGAになった
2026年3月13日(v2.1.75)より、Max・Team・Enterpriseプランでは1Mトークンコンテキストウィンドウがデフォルトで有効化された。以前は追加費用が必要だったが、標準価格(Opus 4.6で$5/$25 per 1Mトークン)に含まれるようになっている。
200Kトークンを超えるリクエストも追加設定なしで自動的に処理される。ベータヘッダーも不要だ(Anthropic公式発表、2026-03-13)。
パフォーマンス指標として、Claude Opus 4.6は1Mトークン時にMRCR v2ベンチマークで78.3%を記録しており、フロンティアモデル中で最高値となっている(参照: What’s new in Claude 4.6)。
1Mコンテキストが実用的になったことで、大きなモノレポ全体を一度にコンテキストに載せたり、長期プロジェクトの会話履歴を途切れさせずに継続したりといった使い方が現実的になった。AIエージェント開発のためのフレームワーク選定については、Agents SDKか、LangGraphか|2026年のフレームワーク選定指針も参照してほしい。
Agent SDKとは何か — Claude Codeとの関係
Claude Agent SDKは、Claude Codeを動かしている中核のツール群・コンテキスト管理・パーミッションフレームワークへのアクセスを外部開発者に開放するSDKだ。
// Claude Agent SDK 基本利用例(TypeScript)
// 注意: 本番環境で使用する前に、必ずテスト環境で動作確認してください。
// 動作環境: Node.js 20+, @anthropic-ai/claude-agent-sdk
import { ClaudeAgent, Subagent, BackgroundTask } from '@anthropic-ai/claude-agent-sdk';
const agent = new ClaudeAgent({
model: 'claude-opus-4-6',
contextWindow: '1m',
});
// サブエージェントに専門タスクを委任
const reviewAgent = agent.createSubagent({
role: 'code-reviewer',
isolation: 'worktree', // 独立したgit worktreeで実行
});
// バックグラウンドで長時間タスクを実行
const bgTask = await agent.createBackgroundTask({
name: 'integration-tests',
background: true,
});
const result = await agent.run({
task: 'このPRの変更をレビューし、テストを実行してください',
subagents: [reviewAgent],
backgroundTasks: [bgTask],
});
特に注目すべきは、Apple Xcode 26.3でネイティブ統合が追加されたことだ。サブエージェント・バックグラウンドタスク・プラグインを含むClaude Codeのフル機能がXcode内から使えるようになっている(参照: Apple’s Xcode now supports the Claude Agent SDK)。
3月14日(v2.1.76)にはMCP Elicitationサポートも追加された。これはMCPサーバーがClaudeに対して構造化された入力(フォームやブラウザURL)を要求できる仕組みで、エージェントと外部ツールのインタラクションをよりリッチにする。
よくある誤解
「/loop はOSのcron代わりになる」
なる。ただしセッション内でのみ動作する。Claude Codeのセッションを閉じるとループは停止する。サーバーサイドの定期実行が必要な場合は、従来のcronやGitHub Actionsを使う。
「1Mコンテキストは全プランで無料」
Max・Team・Enterpriseプランでは標準価格に含まれる。Proプランでの扱いは2026-03-20時点では公式情報が確認できていない。最新情報はAnthropicの料金ページで確認すること。
「Agent SDKとClaude APIは別物」
Claude APIはモデルの直接呼び出しに使う。Agent SDKはClaude Codeが内部で使っているエージェント実行基盤(サブエージェント、バックグラウンドタスク、フック等)を利用するためのもので、より高レイヤーな抽象化を提供している。
結局どうすればいいのか
3月のアップデートを最大限活用するなら、次の3ステップが現実的だ。
- 今日:
/voiceコマンドのロールアウト通知を待ちながら、/loop 5mを使ったデプロイ監視を試してみる - 今週中: Opus 4.6のデフォルト64K出力を活用して、大規模リファクタリングを1回のプロンプトで完結させる体験をしてみる
- 今月中: Agent SDKのドキュメントを読み、自分のプロジェクトでサブエージェントを使った並列処理を試す
参考・出典
- Claude Code Changelog — Anthropic(参照日: 2026-03-20)
- 1M context is now generally available for Opus 4.6 and Sonnet 4.6 — Anthropic(参照日: 2026-03-20)
- Claude Code rolls out a voice mode capability — TechCrunch(参照日: 2026-03-20)
- What’s new in Claude 4.6 — Anthropic API Docs(参照日: 2026-03-20)
- Building agents with the Claude Agent SDK — Anthropic Engineering(参照日: 2026-03-20)
- Apple’s Xcode now supports the Claude Agent SDK — Anthropic(参照日: 2026-03-20)
あわせて読みたい:
- Agents SDKか、LangGraphか|2026年のフレームワーク選定指針 — 主要フレームワークの選び方を整理
- 【2026年】MCPサーバー実践10選|Claude Desktopで即使える — Claude Codeと連携するMCPサーバーの実用ガイド
著者: 佐藤傑(さとう・すぐる)
株式会社Uravation代表取締役。X(@SuguruKun_ai)フォロワー10万人超。100社以上の企業向けAI研修・導入支援。著書累計3万部突破。SoftBank IT連載7回執筆(NewsPicks最大1,125ピックス)。
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