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Klient PSA Hybrid Delivery|8AIエージェント解説

Klient PSA Hybrid Delivery|8AIエージェント解説

この記事の結論

Klient PSAが発表したHybrid Project Deliveryは、8体の専門AIエージェントが人間コンサルタントと協働してプロジェクトを推進するシステム。料金、機能、Salesforce統合の仕組みを解説。

Klient PSAが2026年3月31日に発表した「Hybrid Project Delivery」は、プロジェクト管理の現場に専門AIエージェントチームを導入する実用的なアプローチだ。8体の専門AIが人間コンサルタントと並走し、スコーピングから請求まで一連の業務を担う。

従来のプロジェクト管理ツールと異なり、このシステムはSalesforceのリソースレコードとして各AIエージェントが登録される。ガントチャートやタスクボードに人間スタッフと横並びで表示され、すべての成果物は「Outcome Review」と呼ばれる人間承認フローを経て次工程に進む設計になっている。

Klient PSAが提供するエージェントカタログは、プロジェクトデリバリーの各フェーズを網羅している。

エージェント名 役割 担当フェーズ
SCOPEY 1 ビジネスアナリスト スコーピング・要件定義
PLANNY 1 プロジェクトマネージャー 計画立案・スケジュール管理
TIMEY 1 タイムシートアシスタント 稼働時間記録・請求コンプライアンス
GUIDY 1 カスタマーオンボーディング クライアント初期設定・案内
TOUCHY 1 タッチポイント管理 クライアントコミュニケーション
CASEY 1 カスタマーサポート ケース解決・問題対応
KNOWWY 1 ナレッジマネジメント 社内知識管理・参照
DEVY 1 ソフトウェア開発支援 開発・デプロイ補助

各エージェントは独立して動作するが、MCP1サーバー経由でSalesforceの他コンポーネントとデータを共有する。PLANNY 1が毎朝プロジェクト状況のサマリーを出し、TIMEY 1がカレンダーやSlackのデータから稼働時間を自動入力するといった連携が実装されている。

Salesforceネイティブ設計の意味するところ

特徴的なのは、エージェントが既存のSalesforceインターフェースに透過的に統合される点だ。プロジェクトマネージャーは専用のAI管理画面に切り替えることなく、見慣れたガントチャートやリソースレポート上でAIエージェントへのタスクアサインと成果物確認ができる。

Salesforce AgentExchangeのマーケットプレイスに掲載されており、既存のSalesforceライセンスを持つ企業はそのままエージェントを追加購入できる。ランタイムコストはSalesforce Flex Creditsで処理されるため、従量課金の管理もSalesforceの既存の仕組みに乗る設計だ。

料金体系:一回限り購入モデル

料金体系は業界で珍しいモデルを採用している。エージェント本体は1体あたり$1,000の一回限り購入で、サブスクリプションは発生しない。プラットフォームの利用には別途ユーザーあたり月$15のベース料金がかかる。

## 料金の内訳(2026年3月31日時点)
プラットフォームベース: $15/ユーザー/月
エージェント購入:      $1,000/体(買い切り)
ランタイム:           Salesforce Flex Credits(従量)
標準導入期間:         3週間

例: 5ユーザー + 3エージェントの場合
  月額: $75(ユーザー料金)
  初期: $3,000(エージェント3体)
  ※ Flex Credits別途

料金情報最終確認日: 2026-04-07

8体全てを導入すれば初期コストは$8,000。ただし「エージェントチームを丸ごと採用する必要はない」とKlientは説明しており、必要なフェーズのエージェントだけを選択購入できる。

「Humans Lead, Agents Deliver」という設計哲学

Klient CEOのコメントが端的に示す通り、このシステムはAI完全自律ではなく人間主導のハイブリッドモデルだ。すべてのエージェントアウトプットはクライアントや下流システムに届く前に人間の承認フロー(Outcome Review)を通過する。

AIエージェント全般の構築パターンについては、AIエージェント構築完全ガイドで体系的にまとめているので参考にしてほしい。

承認ワークフローの設計は、エージェントが「判断」するのではなく「構造化されたアウトプットを提案する」に留まることを明示している。コンサルタントが関係性構築や高度な判断に集中し、反復的な定型業務をAIに任せる分業が意図されている。

【要注意】導入前に確認すべき3つのこと

1. Salesforceライセンスが前提条件

Klient PSAはSalesforceネイティブアプリケーションであり、Salesforceのライセンスなしでは動作しない。SalesforceのCRMを使っていない企業にとっては導入コストが跳ね上がる可能性がある。

# Salesforce依存関係の確認チェックリスト
- Salesforceライセンスの有無(必須)
- Agentforceアドオンの有無
- Flex Creditsの利用枠
- 既存Salesforceカスタマイズとの競合

# 注意: 本番環境で使用する前に、必ずテスト環境で動作確認してください。

2. Outcome Reviewが機能するには人間のレビュー文化が必要

承認フローが形骸化し「とりあえず承認」が常態化すると、ハイブリッドモデルの品質保証機能が失われる。エージェントアウトプットを実際にレビューする文化・プロセスの整備が導入効果を左右する。

3. 現時点では「カタログ中の8体」という制約

Klientは今後エージェントを追加する意向を示しているが、現時点では8体の専門領域外の業務(たとえばカスタム分析ダッシュボード作成など)には対応していない。

## 対応業務と非対応業務の整理(2026年4月時点)

対応:
  - スコーピング・要件ドキュメント生成(SCOPEY)
  - プロジェクト進捗サマリー・朝次報告(PLANNY)
  - 稼働時間の自動記録(TIMEY)
  - クライアントオンボーディング対応(GUIDY)

非対応(カスタム開発要):
  - 独自KPIの可視化
  - 外部システム(非Salesforce)との深いインテグレーション
  - 業界固有の専門業務

プロフェッショナルサービス業界への影響

コンサルティングファームやSaaS企業向けのPSAツールとして、Klientは2026年現在も成長を続けている。Hybrid Project Deliveryの発表は、「AIが人間の仕事を奪う」ではなく「AIが反復業務を引き受けることで人間がより高付加価値な仕事に集中できる」という方向性の具体的な製品実装として注目を集めた。

エージェントをリソースとしてプロジェクトに配置するモデルは、マルチエージェント設計の実務応用例として興味深い。AIエージェントの実際の導入事例をさらに知りたい方はAIエージェント導入戦略ガイドも参照してほしい。

参考・出典


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この記事はAIgent Lab編集部がお届けしました。

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※ 本記事の情報は2026年4月時点のものです。サービスの料金・仕様は変更される可能性があります。最新情報は各サービスの公式サイトをご確認ください。

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