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Dify vs LangFlow|ノーコードAIビルダー比較

Dify vs LangFlow|ノーコードAIビルダー比較

この記事の結論

DifyとLangFlowを機能・料金・対応モデルで比較。ノーコードAIエージェントの選び方。

「DifyとLangFlowって、結局どっちを使えばいいの?」

ノーコードでAIエージェントを構築したいと考えたとき、この2つの名前が必ず挙がります。両者ともドラッグ&ドロップでワークフローを設計でき、オープンソースで自己ホスト可能。一見似ているように見えますが、使ってみると設計思想がかなり異なります。

2026年時点での最新情報をもとに、機能・料金・対応モデル・デバッグのしやすさ・ユースケース別おすすめを整理しました。

結論ファースト:用途別おすすめ早見表

まず結論を出してから、詳細な根拠を説明します。

用途 おすすめ 理由 月額目安
RAGチャットボットを早く立ち上げたい Dify ナレッジベース管理が組み込み済み、デバッグUIが優秀 無料〜$59(クラウド)
複雑なマルチエージェントワークフロー LangFlow LangGraph統合でカスタムPythonノードが使い放題 無料(セルフホスト)
チームで使うプロダクションアプリ Dify アプリ公開・SSO・ホワイトラベルが充実 $159/月(チームプラン)
データ処理・分析パイプライン LangFlow Pythonライブラリとの統合が自由度高い 無料(セルフホスト)
MCPとの統合が必要 LangFlow MCPクライアント・サーバー両対応 無料(セルフホスト)

1. 各ツールの概要と実装例

Dify

概要: 2022年創業のスタートアップが開発するLLMOpsプラットフォーム。v0.15以降にLangChainを完全に除去し、独自の15コンポーネントに集約することでシンプルさと速度を両立。ナレッジベース管理・デバッグUI・アプリ公開機能が一体化しています。

最終確認日: 2026-04-11

セルフホストの最小構成(Docker Compose):

# Dify セルフホストの起動(最小要件: CPU 2コア, RAM 4GB)
git clone https://github.com/langgenius/dify.git
cd dify/docker
cp .env.example .env
docker compose up -d

# 起動確認(数分かかる場合あり)
docker compose ps

# ブラウザで http://localhost アクセスし管理者アカウントを作成

強み:

  • ナレッジベース(RAG)が組み込みで、ドキュメントアップロードからチャンク設定まで一画面で完結
  • ワークフローデバッガーが業界最高水準(各ノードの実行時間・入出力値・エラー原因が一目瞭然)
  • 公開済みアプリを埋め込みウィジェット化して外部サイトに貼れる

弱み:

  • コンポーネントのカスタマイズに制限がある(sandboxd環境でのコード実行のみ)
  • LangChainエコシステムを使いたい場合は別途統合が必要

LangFlow

概要: オープンソースのビジュアルAIワークフロービルダー。2024年にDataStaxが買収。2026年3月にDataStax管理のクラウド版は終了(2026年4月9日シャットダウン)しましたが、OSS版は引き続きMITライセンスで開発継続中です。LangGraph統合とカスタムPythonノードが最大の強みです。

最終確認日: 2026-04-11(DataStaxクラウド版終了を確認)

# LangFlow OSS のインストール(Python 3.10+)
pip install langflow

# 起動
python -m langflow run

# またはDockerで
docker run -p 7860:7860 langflowai/langflow:latest

# ブラウザで http://localhost:7860 アクセス

強み:

  • 各コンポーネントのソースコードを直接編集可能(Difyのようなサンドボックス制限なし)
  • LangGraph統合でマルチエージェントのステートフルワークフローを構築できる
  • MCPクライアント・サーバー両方として動作可能
  • MITライセンスで商用利用も制限なし

弱み:

  • デバッグUIはDifyより劣る
  • ナレッジベース管理は別途セットアップが必要
  • DataStaxクラウド版が終了したため、クラウドホスティングは自前かサードパーティ(Sliplane、Elestio等)を使う必要あり

2. 機能比較

機能 Dify LangFlow
対応LLM OpenAI, Anthropic, Gemini, Mistral, Llama等100+ OpenAI, Anthropic, Gemini等主要モデル + ローカルモデル
ビジュアルワークフロー あり(15コンポーネント、シンプル) あり(カスタムPythonノード込み、柔軟)
RAG / ナレッジベース 組み込み(最高水準) 手動設定が必要
マルチエージェント 基本的な対応 LangGraph統合(本格対応)
デバッグUI 業界最高水準 良好(Difyより劣る)
コンポーネントのカスタマイズ sandbox内のみ ソースコード直接編集可
MCP対応 限定的 クライアント・サーバー両対応
アプリ公開 組み込みウィジェット、API公開 API公開(UI公開は自前実装)
SSO Teamプラン以上 なし(自前実装)
ライセンス Apache 2.0(商用条件あり) MIT(制限なし)

3. 料金比較

料金情報の最終確認: 2026-04-11

プラン Dify LangFlow
無料枠 Sandbox: 200メッセージクレジット/月 OSS版: 完全無料(制限なし)
スターター相当 Professional: $59/月(5,000クレジット、3メンバー、50アプリ) セルフホスト: 無料(サーバー代のみ)
チーム向け Team: $159/月(10,000クレジット、SSO、ホワイトラベル) Sliplane等マネージド: 9€/月〜
エンタープライズ カスタム価格 カスタム(セルフホスト + サポート契約)
セルフホスト Community版: 無料(機能制限あり)
Enterprise版: ライセンス費用あり
OSS: 完全無料(MITライセンス)

コスト面ではLangFlowが有利です。ただし、Difyのクラウド版は「管理不要で始められる」という運用コストの節約があります。エンジニアの時給換算で考えると、$59/月の差がどこかで逆転することもあります。

4. 用途別おすすめ

社内ナレッジQ&Aボットを作りたい → Dify

PDF・Word・Webページをアップロードして即RAGチャットボットが作れるDifyが最適です。セットアップ10分、ナレッジベースの更新も管理UIから手軽にできます。

# Dify APIでアプリを外部システムに組み込む例
curl -X POST 'https://api.dify.ai/v1/chat-messages' 
  -H 'Authorization: Bearer YOUR_APP_API_KEY' 
  -H 'Content-Type: application/json' 
  -d '{
    "query": "有給申請の方法を教えてください",
    "user": "employee-001",
    "inputs": {},
    "response_mode": "blocking"
  }'

データ処理パイプラインをビジュアルで組みたい → LangFlow

Pythonのpandas・scikit-learnなど任意のライブラリをノードに組み込めるLangFlowが有利です。

# LangFlow カスタムPythonコンポーネントの例
# 注意: 本番環境で使用する前に、必ずテスト環境で動作確認してください。

from langflow.custom import Component
from langflow.io import MessageTextInput, Output
from langflow.schema import Data

class DataCleanerComponent(Component):
    display_name = "Data Cleaner"
    description = "CSVデータをクリーニングするカスタムコンポーネント"

    inputs = [
        MessageTextInput(name="raw_data", display_name="Raw Data (CSV)"),
    ]
    outputs = [
        Output(display_name="Cleaned Data", name="cleaned", method="clean_data"),
    ]

    def clean_data(self) -> Data:
        import pandas as pd
        import io
        df = pd.read_csv(io.StringIO(self.raw_data))
        df = df.dropna().drop_duplicates()
        return Data(data={"result": df.to_json()})

MCPエコシステムと連携したい → LangFlow

LangFlowはMCPクライアント(外部MCPサーバーのツールを呼び出す)とMCPサーバー(LangFlowのフローをMCPツールとして公開)の両方として動作できます。Claude CodeなどのMCP対応ツールとの連携に強みがあります。

5. 【要注意】選び方の失敗パターン

失敗1: DataStaxクラウド版のLangFlowを使おうとする

❌ DataStax LangFlow Cloud(2026年4月9日シャットダウン済み)
⭕ LangFlow OSS のセルフホスト、またはSliplane/ElestioなどのマネージドOSS

なぜ重要か: DataStaxは2026年3月9日にクラウド版の終了を発表し、4月9日にサービスを停止しました。この記事執筆時点ではOSS版の開発は継続中です。

失敗2: 「ノーコード」だから技術力不要と思う

❌ プログラミング経験なしでフル本番運用を目指す
⭕ エンジニアが初期設定・カスタムノード実装を担当し、その後の運用をビジネス側が担う

なぜ重要か: 両ツールとも「試す」段階はノーコードで進められますが、本番運用(認証、ロギング、スケーリング)はインフラの知識が必要です。特にLangFlowはDockerやPython環境の理解が前提になります。

失敗3: Difyのメッセージクレジットとトークンの違いを理解しないまま見積もる

❌ 「$59/月で5,000クレジット = 5,000リクエスト」と誤解
⭕ クレジット消費量はモデルによって異なる(GPT-4oとGPT-3.5では消費量が大きく違う)

なぜ重要か: Difyのクレジットはメッセージ数ではなく「API呼び出しコスト」に基づきます。高性能モデルを多用すると、想定より早くクレジットが枯渇します。セルフホスト版ならクレジット上限がないため、スケールアップ後はセルフホストへの移行を検討しましょう。

失敗4: 最初から大規模マルチエージェントで構築しようとする

❌ 初日から10エージェントが連携する複雑なワークフローを設計
⭕ 単一エージェントのシンプルなユースケースで検証し、段階的に拡張

なぜ重要か: 両ツールとも、シンプルなユースケースでは素晴らしいDXを提供しますが、複雑なエラーが起きたときのデバッグは急激に難しくなります。小さく始めることが成功の鍵です。

参考・出典

まとめ:今日から始める3つのアクション

  1. 今日やること: 両方をローカルで起動して試す。Difyは docker compose up -d で10分、LangFlowは pip install langflow && python -m langflow run で5分。同じ簡単なRAGチャットボットを両方で作り、DXの違いを体感する
  2. 今週中: チームの想定ユースケースを1つ特定し、「RAG重視か、カスタマイズ重視か」で候補を1つに絞る。上の早見表を参照
  3. 今月中: 選んだツールで小規模なPoC(概念実証)を完成させ、本番コストを見積もる。Difyならクレジット消費ペースを、LangFlowならサーバーコストを計算する

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著者: 佐藤傑(さとう・すぐる)
株式会社Uravation代表取締役。早稲田大学法学部在学中に生成AIの可能性に魅了され、X(旧Twitter)で活用法を発信(@SuguruKun_ai、フォロワー10万人超)。100社以上の企業向けAI研修・導入支援を展開。著書累計3万部突破。
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