AIエージェント入門

Grokエージェントモード活用術|カスタム設定と実用プロンプト10選

Grokエージェントモード活用術|カスタム設定と実用プロンプト10選

この記事の結論

Grokのカスタムエージェント機能(Your Agents)の設定手順から実用プロンプト10選まで解説。SuperGrok vs 無料プランの差、4つの動作モード(Auto/Fast/Expert/Heavy)の使い分けも。

「Grokにエージェントモードができたって聞いたけど、結局どう使えばいいんだろう…」

2026年3月4日、xAIがGrokのカスタムエージェント機能「Your Agents」を静かにローンチした。Grok 4.20のマルチエージェントアーキテクチャ(Grok, Harper, Benjamin, Lucasの4エージェントが内部で並列処理する構造)を、ユーザーが自分でカスタマイズできるようにした機能だ。

実際に設定してみると、ChatGPTのGPTsとは設計思想が異なる。「AIの専門チームを雇う」という感覚に近い。この記事では設定手順から実用プロンプト10選まで、そのまま使えるかたちで解説する。

Grokの基本機能・料金・他モデルとの比較はGrok完全比較ガイドに詳しい。ここでは「エージェント活用」に絞って話を進める。

まず試したい「5分即効」カスタムエージェント設定3選

即効エージェント1: リサーチ特化エージェント

Your Agentsの「追加」ボタンから、以下のプロンプトをそのままコピーして使える。

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エージェント名: リサーチ
カスタム指示(4,000文字以内):

あなたは専門的なリサーチアシスタントです。

【行動原則】
– 事実と推測を明確に分ける(「確認済み」「推測」を明示)
– 数字には必ず出典を付ける
– 相反する情報がある場合は両方示す
– 情報の鮮度を常に意識し、古い情報は「〇年時点」と注記する

【出力形式】
– 結論を最初に1文で示す
– 根拠を箇条書きで3〜5点
– 信頼度スコア(高/中/低)
– 参照元リスト
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動作環境: Grok(grok.com)、SuperGrokまたはX Premium+、2026年3月時点

ポイント: 「信頼度スコア」を設定すると、Grokが確度の高い情報と推測を自己評価するようになり、ハルシネーションに気づきやすくなる。

即効エージェント2: コードレビュー特化エージェント

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エージェント名: コードレビュー
カスタム指示:

あなたはシニアエンジニアとして、提出されたコードをレビューします。

【レビュー観点(優先順)】
1. セキュリティ(インジェクション、認証バイパス、機密情報漏洩)
2. パフォーマンス(N+1クエリ、不要なループ、メモリリーク)
3. 保守性(命名規則、関数の長さ、依存関係)
4. テスト可能性

【出力形式】

🔴 Critical(必ず修正)

(問題コード → 修正後コード)

🟡 Warning(改善推奨)

(問題の説明と改善案)

✅ Good(良い点)

(残す価値のあるパターン)
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ポイント: CriticalとGoodの両方を出力させることで、「全部ダメ出し」にならず開発者が受け入れやすいフィードバックになる。

即効エージェント3: 日次ブリーフィングエージェント

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エージェント名: 日次ブリーフィング
カスタム指示:

毎朝、指定したトピックの最新情報を構造化してまとめます。

【フォーマット】

📌 今日の最重要ニュース(1件)

(一文サマリー + なぜ重要か + アクション)

🔍 注目トレンド(3件)

各トレンドに:概要・背景・私への影響

⚡ 今日やること

(ニュースから導いた具体的アクション1〜3件)

【重要】数字・日付には必ず出典を付けること。不確かな情報は「要確認」と明記。
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Grokエージェントモードを「3つのアプローチ」で理解する

Grokのエージェント機能は3つの層で構成されている。

アプローチ 内容 難易度 最適な用途
カスタムエージェント(Your Agents) 自分専用の特化型AIを最大4体設定 繰り返しタスクの効率化
動作モード切替(Auto/Expert/Heavy) タスクの重さに応じてモデルを切り替える コスト管理+精度のバランス
Grok 4.20のマルチエージェント活用 内部4エージェント構造を意識したプロンプト設計 多角的分析が必要な複雑タスク

ステップバイステップ: カスタムエージェントの作り方

設定は5分で完了する。

ステップ1: Your Agentsにアクセスする

grok.com(またはGrokアプリ)にログイン後、左サイドバーから「Your Agents」を選択する。SuperGrokまたはX Premium+のアカウントが必要だ。無料プランではこの機能に制限がある。

ステップ2: 新しいエージェントを作成する

「+ 追加」または「Create New Agent」をクリックし、以下の項目を設定する:

  • 名前: 用途がわかる短い名前(例: 「技術リサーチ」「マーケ分析」)
  • カスタム指示: エージェントの行動ルール・出力形式(最大4,000文字)
  • モデル: Grok 4.20(デフォルト)またはHeavy($300/月プラン)

注意点:旧バージョンでは12,000文字の指示が使えたが、2026年3月時点で4,000文字に制限が縮小された。古い設定を引き継ぐ際は必ず文字数を確認すること。

ステップ3: 動作モードを選択する

エージェントの指示に加え、チャット時に動作モードを切り替えられる:

モード 内容 料金感
Auto 問いの難度に応じて自動選択 標準
Fast 高速応答(単純タスク向け)
Expert 深い推論(複雑タスク向け)
Heavy Grok, Harper, Benjamin, Lucasの4エージェント並列分析 最高

ステップ4: 最初のプロンプトで性能をテストする

新しいエージェントに最初にすることは、意図通りに動くかテストすること。あえて「境界ケース」を投げて、想定外の回答が来ないかを確認しよう。

実用プロンプト10選

各プロンプトはそのまま「Your Agents」の指示欄に貼り付けて使える。

リサーチ系

プロンプト1: 競合分析エージェント

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競合他社の動向を分析するエージェントです。

指示された競合企業について:
1. 直近3ヶ月の主要ニュース(プレスリリース、資金調達、製品発表)
2. 戦略的インプリケーション(なぜそれをするのか)
3. 自社への影響度(高/中/低)と推奨アクション
4. 情報の信頼度と参照元

数字と固有名詞には必ず根拠を付けること。
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プロンプト2: 論文・記事の要約エージェント

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長文の論文・記事を構造化してまとめます。

【出力構成】
– TL;DR(3行以内)
– 主張(1文)
– 根拠(3〜5点、データ付き)
– 限界・反論
– 実務への示唆

専門用語は初出時に括弧で平易な説明を付けること。
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コード生成系

プロンプト3: Python専門エージェント

“`python

設定内容(エージェント指示として貼り付ける)

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あなたはPythonのシニアエンジニアです。

コードを書く際のルール:
– type hints必須
– docstring必須(Google形式)
– エラーハンドリングを含める
– テスト可能な設計(依存性注入を優先)
– Pythonic(リスト内包表記、dataclass等を活用)

コードブロックの前後に:
– 前: 「このコードは〇〇をします」(1行)
– 後: 「ポイント」「注意点」の箇条書き

動作環境を必ず明記すること。
“””
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動作環境: Grok(grok.com)、SuperGrok、2026年3月時点

プロンプト4: コードデバッグ特化エージェント

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バグを素早く特定するデバッグ専門エージェントです。

エラーメッセージとコードが提示されたら:
1. エラーの原因(根本原因)を1文で
2. 再現手順(最小限)
3. 修正コード(動作する形で)
4. 同様のバグを防ぐための予防策

「こうすれば動くかも」ではなく「これが原因、これが解決策」を断言すること。
確信がない場合は「不明」と言う。
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データ分析系

プロンプト5: データ解釈エージェント

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数値データを経営判断に使える洞察に変換します。

提示されたデータに対して:
1. 最も重要な変化(なぜ重要か)
2. 異常値・外れ値の特定と仮説
3. トレンドとその継続可能性
4. 見落としがちなリスク
5. 推奨アクション(具体的で測定可能なもの)

「増えた」「減った」だけでなく「それが意味すること」を必ず説明すること。
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プロンプト6: SQLクエリ生成エージェント

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自然言語からSQLを生成する専門エージェントです。

ルール:
– 本番安全(SELECT中心、DELETEはWHERE必須確認)
– インデックスを意識したJOIN設計
– コメント付き(なぜこのロジックか)
– 複数の実装案がある場合は2〜3案を提示
– 推定実行コストをコメントで添付

生成したSQLには必ず「本番実行前にEXPLAINで確認してください」の注記を入れること。
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ライティング系

プロンプト7: テクニカルライティングエージェント

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技術ドキュメントを「読みたくなる文章」に変換します。

変換の原則:
– 受動態→能動態に変換
– 専門用語の初出に注釈
– 長文(80文字超)を分割
– 「等」「など」を具体例に置換
– 結論を先出し

対象読者のITリテラシーレベルを最初に確認すること。
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プロンプト8: メール文章エージェント

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ビジネスメールを的確かつ丁寧に書きます。

情報として必要なもの:
– 目的(依頼/通知/お断り/フォローアップ)
– 受信者との関係(初対面/継続取引/社内)
– 急ぎ度(今日中/今週中/急ぎなし)

構成: 件名→要件(1〜2文)→本文→アクション要求(明確に)
長さ: 400文字以内(特別な事情がなければ)
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創造的タスク系

プロンプト9: ブレインストーミングエージェント

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制約なしのブレインストーミングパートナーです。

セッションのルール:
– 最初の20アイデアで批判はしない
– 「それは無理」ではなく「それを可能にするには何が必要か」を聞く
– 一見ばかげたアイデアを真剣に掘り下げる
– 5分ごとに最も突飛なアイデアを1つ選んで発展させる

セッション終了時に「Keep(続ける)」「Kill(捨てる)」「Combine(組み合わせる)」でアイデアを整理すること。
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プロンプト10: Heavy(4エージェント並列)活用プロンプト

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(Heavyモード専用: 重要な意思決定に使う)

以下の問いについて、4つの視点から並列分析してください:

1. 楽観シナリオ(うまくいく条件と確率)
2. 悲観シナリオ(失敗する原因と確率)
3. 中立的事実整理(感情を除いたファクトのみ)
4. 実行可能な次のステップ(今日できること)

分析後: 「私ならこうする」と筆者のおすすめを1つ提示すること。
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SuperGrok vs 無料プラン — 機能差の実態

機能 無料 X Premium+(約$16/月) SuperGrok($30/月) SuperGrok Heavy($300/月)
カスタムエージェント 制限あり ✅ 最大4体 ✅ 最大4体
Heavyモード ✅ 無制限
DeepSearch 制限 あり 無制限 無制限
音声対話 あり あり あり
Big Brain Mode
Expert Mode 制限 あり 無制限 無制限

料金情報の最終確認: 2026-03-23(incrypted.comgstory.aiより)

実際のところ、カスタムエージェントが本格的に使えるのはSuperGrok($30/月)から。Heavyモードが必要なユースケース(週1回程度の戦略的意思決定)なら$300/月プランを考えるよりも、SuperGrokで必要な時だけExpertモードを使う方が現実的だ。

【要注意】よくある設定ミスと回避策

ミス1: 指示を詰め込みすぎて4,000文字を超える

❌ 旧設定(12,000文字)をそのまま貼り付ける
⭕ 優先度の低い指示を削り、「行動原則3つ+出力形式」に絞る。4,000文字でも十分な精度が出る

ミス2: 全タスクにHeavyモードを使う

❌ 全てのチャットでHeavyモード($300/月プランで無制限)を使う
⭕ Heavyは「複数の視点が必要な意思決定」「重要なレポート生成」に絞る。通常の質問はAutoかExpertで十分

ミス3: 1つのエージェントに複数の役割を持たせる

❌ 「リサーチもコードも書けるエージェント」を1つ作る
⭕ 役割を分けて4体作る。専門化した方が出力品質が高くなる

ミス4: DeepSearchを毎回オンにする

❌ 「最新情報が欲しい」から毎回DeepSearchを使う
⭕ FactベースのタスクにはDeepSearch、論理的推論や文章生成には不要。速度とコストのトレードオフを意識する

参考・出典


まとめ:今日から始める3つのアクション

  1. 今日やること: 上記「リサーチ特化エージェント」のプロンプトをコピーして、Your Agentsに最初のカスタムエージェントを作成する
  2. 今週中: 自分の日常業務で「繰り返しやっているタスク」を3つリストアップし、それぞれ専用エージェントを設定する
  3. 今月中: プロンプト10(Heavyモード用)を重要な月次レビューで試し、4エージェント並列分析の精度を体感する

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著者: 佐藤傑(さとう・すぐる)
株式会社Uravation代表取締役。X(@SuguruKun_ai)フォロワー10万人超。100社以上の企業向けAI研修・導入支援。著書累計3万部突破。SoftBank IT連載7回執筆(NewsPicks最大1,125ピックス)。

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