結論: Make.comは「今すぐ動かしたい、技術不問」の入口として最適。Claude Codeは「スケールするコードベースを自分で育てたい開発者向け」の選択肢。月10,000件以上の自動化を本気でやるなら、Claude Codeが長期コスト面で有利になる。
- Make.comは2025年8月にクレジット課金に移行済み(旧オペレーション課金から変更)
- Claude Codeには2025年8月から週次レート制限あり
- 技術レベル別の選択基準をコード例とともに解説
対象読者: AI自動化ツールの選定を任されたPM、業務自動化に興味があるエンジニア、Make.comを使っているが限界を感じている方。
「Make.comでできることをClaude Codeで全部やり直す必要があるの?」
あるSaaSスタートアップのCTOから相談を受けたのはつい最近のことです。Make.comで50本のシナリオを構築した後、スケールの壁にぶつかって「コードベースに移行すべきか」を悩んでいました。
実際に構築プロジェクトを支援してみると、どちらが優れているかという二択ではなく、ユースケースと組織の技術レベルで答えが完全に変わることがわかりました。
結論ファースト:用途別おすすめ早見表
| 用途 | おすすめ | 理由 | 月額目安 |
|---|---|---|---|
| 非エンジニアが使う社内自動化 | Make.com | GUIで直感操作、研修不要 | 無料〜$29 |
| Slack/Notionなど既存SaaS連携 | Make.com | 2,000以上のプリセットコネクター | $9〜$16 |
| 月10,000件超の高頻度バッチ処理 | Claude Code | 実行ごとの課金なし、スケーラブル | Anthropic API費用のみ |
| カスタムロジックが必要な複雑ワークフロー | Claude Code | コードで表現できないことがない | インフラ費用のみ |
| プロトタイプ作成(1週間以内) | Make.com | ゼロから動くまでが速い | 無料プランで可 |
| 既存コードベースへの統合 | Claude Code | TypeScript/Pythonと完全統合 | API使用量次第 |
1. 各ツールの概要と実装例
Make.com(旧Integromat)
概要: ノーコード・ローコードのビジュアル自動化プラットフォーム。ドラッグ&ドロップで処理フロー(シナリオ)を構築し、2,000以上のSaaSアプリと連携できる。2025年8月にオペレーション課金からクレジット課金へ移行。
強み: 操作の直感性、豊富なプリセット、ノーコードでも複雑な条件分岐を表現できる
弱み: 複雑なデータ変換でGUI操作が煩雑になる、カスタムロジックに限界がある
// Make.com カスタム関数モジュール(Code by Make)
// 動作環境: Make.com Code Module(Node.js 16系相当)
// 注意: 本番環境で使用する前に、必ずテスト環境で動作確認してください。
export default async function (input) {
const { formData } = input;
const slackMessage = {
text: `新しい回答が届きました`,
blocks: [{
type: "section",
text: {
type: "mrkdwn",
text: `*フォーム回答*n名前: ${formData.name}nメール: ${formData.email}n内容: ${formData.message}`
}
}]
};
return { slackMessage };
}
Claude Code(Anthropic)
概要: AnthropicのClaude AIを活用したコーディングエージェント。ターミナルから自然言語で指示を与えると、コードの生成・実行・デバッグを自律的に行う。
強み: コードで表現できれば何でも自動化できる、既存コードベースへの統合が得意、長期的なスケーラビリティ
弱み: 技術的な前提知識が必要、2025年8月から週次レート制限あり
# report_summarizer.py(Claude Codeで生成するコード例)
# 動作環境: Python 3.11+, anthropic>=0.30.0, pypdf2>=3.0.0
# pip install anthropic pypdf2
# 注意: ANTHROPIC_API_KEY環境変数を設定してください。
import os, csv, logging
from pathlib import Path
import anthropic, PyPDF2
logging.basicConfig(level=logging.INFO)
client = anthropic.Anthropic(api_key=os.environ["ANTHROPIC_API_KEY"])
def extract_text_from_pdf(pdf_path: Path) -> str:
text = ""
with open(pdf_path, "rb") as f:
reader = PyPDF2.PdfReader(f)
for page in reader.pages:
text += page.extract_text() or ""
return text[:8000]
def summarize_with_claude(text: str) -> str:
message = client.messages.create(
model="claude-haiku-4-5",
max_tokens=400,
messages=[{"role": "user", "content": f"以下を日本語で300文字以内に要約してください:nn{text}"}]
)
return message.content[0].text
def main():
input_dir = Path("data/reports")
output_dir = Path("output")
output_dir.mkdir(exist_ok=True)
results = []
for pdf_path in sorted(input_dir.glob("*.pdf")):
try:
text = extract_text_from_pdf(pdf_path)
summary = summarize_with_claude(text)
results.append({"file": pdf_path.name, "summary": summary, "status": "OK"})
except Exception as e:
results.append({"file": pdf_path.name, "summary": "", "status": f"ERROR: {e}"})
with open(output_dir / "summaries.csv", "w", newline="", encoding="utf-8") as f:
writer = csv.DictWriter(f, fieldnames=["file", "summary", "status"])
writer.writeheader()
writer.writerows(results)
if __name__ == "__main__":
main()
2. 機能比較
| 機能 | Make.com | Claude Code |
|---|---|---|
| セットアップ時間 | 数時間(GUI操作のみ) | 数日〜1週間(環境構築含む) |
| SaaS連携 | 2,000以上のプリセット | APIドキュメントを読んでコード生成 |
| AI機能 | AI Agents(2025年追加) | Claude自体が自動化の頭脳 |
| カスタムロジック | JavaScriptモジュールで限定的に対応 | 制限なし(コードで全て表現) |
| スケーラビリティ | クレジット上限あり | インフラ次第で無制限 |
| バージョン管理 | シナリオのバージョン履歴(Pro以上) | Gitで完全管理 |
3. 料金比較
(料金情報の最終確認: 2026-04-14。変更される場合があるため、必ず公式サイトでご確認ください)
| プラン | Make.com | Claude Code |
|---|---|---|
| 無料 | 1,000クレジット/月 | 試用版あり(制限付き) |
| Core/基本 | $9/月(10,000クレジット)年払い | Anthropic APIの使用量課金 |
| Pro | $16/月(10,000クレジット+優先実行)年払い | claude.ai Pro: $20/月 |
| Teams | $29/月(マルチユーザー)年払い | チーム向けAPIプラン(要問い合わせ) |
4. 用途別おすすめ
カスタマーサポート → おすすめ: Make.com(小規模)/ Claude Code(大規模)
月1,000件以下のチケット振り分けやステータス更新なら、Make.comのZendesk連携で十分対応できます。月10,000件を超えてAPIコールが増えると、クレジット消費が急増するためClaude Code+自前APIへの移行が現実的になります。
# Claude Codeで作るカスタマーサポート自動振り分け
# 動作環境: Python 3.11+, anthropic>=0.30.0
import anthropic, json, os
client = anthropic.Anthropic()
def classify_support_ticket(ticket_text: str) -> dict:
message = client.messages.create(
model="claude-haiku-4-5",
max_tokens=200,
messages=[{"role": "user", "content": f"""以下のサポートメッセージをJSON形式で分類してください。
カテゴリ: billing/technical/general/urgent、優先度: high/medium/low
メッセージ: {ticket_text}
回答はJSONのみ: {{"category": "...", "priority": "...", "reason": "..."}}"""}]
)
return json.loads(message.content[0].text)
SaaS間のデータ同期 → おすすめ: Make.com
HubSpotとSalesforceの同期、NotionとGoogleカレンダーの連携など、プリセットで対応できる「お決まりの連携」はMake.comが圧倒的に速い。
5. 【要注意】選び方の失敗パターン
失敗1: 「Claude Codeの方が賢いから全部こちらで」
❌ 汎用性の高いツールを全部使いに選んで構築工数が5倍になる
⭕ プロトタイプはMake.com → スケール後にClaude Codeへ移行
失敗2: Make.comでシナリオを乱造して管理コストが爆発する
❌ 50本以上のシナリオが無秩序に存在し、誰がどれを管理しているかわからない
⭕ シナリオ10本を超えた段階でドキュメント化ルールを設ける
失敗3: Make.comのAI Agentを万能と思う
❌「AIエージェントシナリオを入れれば何でもできる」
⭕ Make.comのAI AgentsはGUI制約の中で動くため、複雑な条件分岐や状態管理はClaude Codeに劣る
失敗4: Claude Codeのレート制限を考慮しない
2025年8月から週次レート制限が設けられています。高頻度タスクにはバックオフ処理とタスクキューを最初から組み込んでください。
参考・出典
- Make.com Pricing & Subscription Packages — Make公式(参照日: 2026-04-14)
- Make.com vs n8n vs Claude Code: 2026 Comparison — White Space Solutions(参照日: 2026-04-14)
- Claude Code Overview — Anthropic公式ドキュメント(参照日: 2026-04-14)
まとめ:今日から始める3つのアクション
- 今日やること: Make.comの無料プランに登録し、今あるルーチンタスク1つを自動化してみる
- 今週中: Make.comで作ったシナリオを見て「コードで書いた方が管理しやすい」ものを1つ特定する
- 今月中: 月間処理件数の目標とコスト試算をExcelでシミュレーションする
あわせて読みたい:
この記事を読んで導入イメージが固まってきた方へ
UravationではAIエージェント導入の研修・コンサルを行っています。
この記事はAIgent Lab編集部がお届けしました。