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Manus(マナス)AIとは|使い方・料金・無料枠【2026年9月】

Manus(マナス)AIとは|使い方・料金・無料枠【2026年9月】

この記事の結論

Manus(マナス)AIとは何かを2026年9月26日時点の公式情報で整理。無料枠の上限、Pro・Teamの料金、クレジットの数え方と1タスクの実費、Plan Modeを使った手順、API連携と法人導入で先に決める5点まで。

検索意図への直答:Manus(マナス)AIは、依頼を受けて計画・調査・実行・成果物化まで自分で進める汎用AIエージェントです。2026年9月26日時点の公式ヘルプでは、無料プランが0ドル(毎日300クレジット・同時タスク1・スケジュールタスク2・Agent ModeはManus 1.6 Liteのみ)、Proが月20ドルから(月4,000クレジット)、40ドルの段(月8,000クレジット・7日間の無料トライアル)、Teamが1席あたり月20ドルから、年払いはいずれも17%割引と明記されています。

  • 課金の芯はクレジット:Chat Modeは公式ヘルプで「クレジットを消費しない」と明記され、消費するのはAgent Modeです。公式のクレジット解説ページには実タスクの消費例(15分のデータ分析で200クレジット/25分のWebページ制作で360クレジット/80分のWebアプリ開発で900クレジット)が載っています。
  • 事前見積もりはできない:公式ヘルプは「現時点でManusはクレジット消費を自律的に判断・制御できない」「Manus自身が消費量を宣言した場合はハルシネーションとして扱うべき」と書いています。上限管理は人間側の設計事項です。
  • 7月以降に増えた機能:Plan Mode(2026年7月22日)、Branch(7月9日)、Auto-Publish(7月13日)、ネイティブ.pptx出力(7月14日)、Cloud Computer の料金改定(ヘルプ更新9月23日)。会社は2026年9月1日の公式ブログで独立運営の再開を発表しています。

対象読者:Manusに何をどこまで任せられるのか、クレジットがいくら飛ぶのか、法人で使うなら何を先に決めるのかを、課金前に判断したいPM・事業開発・リサーチ担当・AI推進担当・開発者。

最初にやること:Chat Modeで要件を固めてからAgent Modeに入り、最初の1タスクはPlan Modeで計画を承認してから実行します。これだけで手戻りとクレジットの空振りが減ります。

「Manus AIって、ChatGPTやClaudeに頼むのと何が違うんですか?」

AIエージェント導入の相談でよく出る問いです。違いは出力ではなく実行にあります。公式ヘルプのモード解説では、Agent Modeは「あなたの指示にもとづいてManusが自律的に計画を立て、タスクを完了させる」モードと説明され、Webサイト・スライド・動画の生成やモバイルアプリ開発まで対象に入っています。一方のChat Modeは画像・PDF・テキストの読み取りとWeb検索を伴う軽量モードで、クレジットを消費しません。この線引きを知らずに全部Agent Modeで投げるのが、いちばん多い無駄です。

この記事は開発者・実務担当向けの入口として、2026年9月26日に取得した公式ヘルプ・公式ブログ・公式APIドキュメントだけを根拠に、料金とクレジットの数え方、使い方の手順、APIでの自動化、法人導入で先に決めることを整理します。会社の所有権をめぐる経緯は Manus買収破談とTencent最大株主浮上の時系列、企業利用の可否と安全性の論点は Manus AIの危険性|安全性と企業利用の可否 に分けてあります。

Manus(マナス)AIとは|2026年9月時点の全体像

Manusは、自然言語の依頼を受けてサブタスクに分解し、ブラウザ・ファイル・コード実行・外部サービス連携を使いながら成果物まで進める汎用AIエージェントです。公式サイトのタグラインは「Less structure, more intelligence.」、フッターの表記は「© 2026 Manus AI · Singapore.」です(2026年9月26日取得)。

まず押さえるべきは、モードとモデルの階層です。公式ヘルプのプラン解説は、無料ユーザーがAgent Modeで使えるのはManus 1.6 Liteだけで、ProユーザーはManus 1.6 Max / 1.6 / 1.6 Liteを使えると明記しています。Chat Modeは無料・有料どちらでも使えます。

観点 2026年9月26日時点の公式記載 実務への影響
運営表記 フッターは「© 2026 Manus AI · Singapore.」。2026年9月1日の公式ブログで独立運営の再開と創業チームによる継続経営を発表 ベンダー継続性は契約更新時に再確認する項目として残る
モード Chat Mode(軽量・クレジット消費なし)/Agent Mode(自律実行・クレジット消費あり) 要件整理はChat、実行はAgentに分けると無駄が減る
モデル Agent ModeはManus 1.6 Max / 1.6 / 1.6 Lite。無料はLiteのみ 無料枠の出力品質を有料の判断材料にしない
課金単位 クレジット制。消費要因はLLMトークン・仮想マシン・サードパーティAPI 「月額いくら」ではなく「1タスクいくら」で設計する
実行環境 既定は一時サンドボックス。常駐が必要な用途はCloud Computer(Ubuntu Server 24.04 LTS・専用パブリックIP) 24時間動かすbot・API・DBは別料金の常駐環境が必要
API Manus API v2(ベースURL https://api.manus.ai)。v1は非推奨で将来削除予定 新規実装はv2で書く。v1のコードは移行対象
成果物の権利 公式ヘルプは「Manusで作ったコンテンツはすべてあなたのもの」「個人利用・商用利用いずれも可(適用法令と第三者の権利に従う)」と明記 商用利用可否の確認は済み。ただし著作権レビューは自社責任

左にChat Mode(クレジット消費なし・画像やPDFの読み取り・Web検索)、右にAgent Mode(クレジット消費あり・自律的に計画・Webサイトやスライドや動画・モバイルアプリ開発)を並べ、下に無料はManus 1.6 Liteだけと添えた図
Chat ModeとAgent Modeの線引き

AIエージェント全体の選定軸を先に固めたい場合は AIエージェントツール比較ガイド を、設計思想の前提は AIエージェント実装ロードマップ を先に読んでください。

Manus AIの料金と無料枠(2026年9月26日 公式ヘルプ)

公式ヘルプの料金記事に載っている範囲を、そのまま表にします。公式の価格表示はすべて米ドルです。公式ヘルプは「サブスクリプションとクレジットの価格は米ドルで統一しており、現地通貨への換算と為替レート、手数料は利用者の金融機関側が決める」と明記しています。日本円の目安は、1ドル150円で単純換算した参考値です(公式が円価格を出しているわけではありません)。

プラン 価格(公式・米ドル) 円の目安(1ドル150円換算) 月次クレジット Agent Modeで使えるモデル 同時/スケジュールタスク
Free 0ドル/月 0円 公式ヘルプに月次クレジットの記載なし(毎日300クレジットの日次リフレッシュ) Manus 1.6 Lite のみ 同時1/スケジュール2
Pro(下段) 月20ドルから(年払いで17%割引) 約3,000円/月 月4,000クレジットから 1.6 Max / 1.6 / 1.6 Lite 同時20/スケジュール20
Pro(上段) 月40ドルから(7日間の無料トライアル・年払いで17%割引) 約6,000円/月 月8,000クレジットから 1.6 Max / 1.6 / 1.6 Lite 同時20/スケジュール20
Team 1席あたり月20ドルから(年払いで17%割引) 1席あたり約3,000円/月 Proと同等の内容を含む 1.6 Max / 1.6 / 1.6 Lite Pro相当

Teamだけに付く機能は、公式ヘルプの記載では次の5点です。SSO(シングルサインオン)/データ学習のオプトアウト/チーム利用状況の分析/社内アクセス制御/共有スライドテンプレート。法人でいちばん効くのはデータ学習のオプトアウトと社内アクセス制御なので、個人Proで検証してTeamに上げる前提なら、この2点を情報システム部門と先に握っておくと差し戻しが起きません。

旧プラン名で書かれた情報に注意(Basic・Plusは廃称)

日本語の解説記事にはいまも「Basicプラン」「Plusプラン」と書かれたものが残っています。公式ヘルプの料金記事は、トラブルシューティング欄で「もとのBasicプランとPlusプランは、どちらもProに名称変更された」と明記しています。あわせて「既存の会員は従来の価格で自動更新され、新プランへのアップグレード・ダウングレードも可能」と書かれています。旧プラン名で比較している情報は、そのまま社内資料に転記しないでください。

公式で確認できなかったこと(2026年9月26日)

正確さのために、取得できなかった範囲も書いておきます。manus.im/pricing はJavaScriptで価格を描画するページで、当日のHTML取得では価格の数値を機械的に読み取れませんでした。そのため、公式ヘルプが明記している「Free 0ドル/Pro 20ドル・40ドル/Team 1席20ドルから」より上の段の価格と、追加クレジット(アドオン)の単価は、2026年9月26日時点では確認できていません。公式ヘルプが「実際の価格ページに表示される内容が正」と書いているとおり、発注前の金額は必ず公式価格ページで確認してください。

Free 0ドル(毎日300クレジット)、Pro 月20ドルから(月4,000クレジット)、Pro 月40ドルから(月8,000クレジット)、Team 1席 月20ドルから(データ学習のオプトアウト)の4枚を横に並べ、下に年払いで17%割引と添えた図
4プランの価格とクレジット

クレジットの数え方と「1タスクいくら」の実費

Manusの費用感がつかみにくい最大の理由は、月額ではなくクレジットが実体だからです。公式のクレジット解説ページと公式ヘルプの消費ルール記事(2026年6月18日更新)に載っている事実を、順番に押さえます。

消費の3要因と、消費される順番

クレジットが減るのは次の3つです。

  • LLMトークン:タスクの計画立案・判断・出力生成に使われる
  • 仮想マシン:ファイル操作・ブラウザ自動化・コード実行を支えるクラウド環境
  • サードパーティAPI:金融データや専門データベースなど、連携した外部サービスの利用

消費量はタスクの複雑さと実行時間で決まります。クレジットが減るのはタスクが動いている間だけで、完了済みタスクの保存や成果物のデプロイ自体では消費しません(だからタスクを消して節約する必要はない、と公式ヘルプは明記しています)。Manus側の技術的な不具合で失敗したタスクは、消費分を全額返却する方針も書かれています。

保有クレジットが複数種類あるときの消費順も決まっています。イベントクレジット → 日次クレジット → 月次クレジット → アドオンクレジット → フリークレジットの順です。アドオンクレジットは有料サブスクリプションが有効な間だけ次サイクルへ持ち越せて、無料会員に落ちるか契約が切れると無効になります。

公式が公開している実タスクの消費例

公式のクレジット解説ページには、タスク種別・複雑さ・所要時間つきの消費例が載っています。これがいちばん現実的な見積もりの土台です。円の列は、下で説明する計算式にもとづく試算例(実測値ではありません)です。

公式の例 複雑さ タスク種別 所要時間 消費クレジット 試算(1ドル150円換算)
NBA選手の得点効率を4象限チャートで分析 Standard データ分析・可視化リサーチ 15分 200 約150円
結婚式の招待状Webページを制作 Standard Webデザイン・コード開発・デプロイ 25分 360 約270円
位置情報つきの天体イベントWebアプリ Complex アプリ開発・データ統合・公開 80分 900 約675円

試算の前提と計算式:月20ドルで月4,000クレジットという公式の組み合わせから、1クレジット=20ドル÷4,000=0.005ドル。1ドル150円で0.75円。これに公式の消費クレジットを掛けたものが上の円の列です(200×0.75=150円)。40ドルで8,000クレジットの段も1クレジットあたりの単価は同じ0.005ドルです。公式がクレジット単価や円価格を示しているわけではありませんので、社内稟議に出すときは「公式の消費例×自社の契約単価」で引き直してください。

この単価が分かると判断が変わります。月4,000クレジットは、Standard相当のリサーチ(200クレジット)なら月20回分、Complexなアプリ開発(900クレジット)なら月4回分です。「月20ドルだから安い」ではなく「この業務を月何回回すのか」で段を選ぶのが正しい読み方です。クレジット制ツールの費用設計そのものは AIエージェントのコスト最適化ガイド で扱っています。

無料枠は「毎日300・繰り越しなし・Liteだけ」

日次リフレッシュクレジットの条件は、公式ヘルプが表で明記しています。

項目 公式の記載
付与量 1日300クレジット(アクティブなアカウントが対象)
受け取り方 ログインすると自動付与。他の操作は不要
リセット 毎日 00:00 UTC(日本時間 午前9時)
繰り越し 不可。残っていてもリセット時に消える(メイン残高にも加算されない)
有効期間 付与された24時間だけ
使えるモデル 日次クレジットはManus 1.6 Liteでのみ使用可
無料会員の月間上限 日次リフレッシュクレジットの月間消費上限は1,500クレジット(有料会員は上限なし)

無料会員は1日300クレジットもらえても、月の合計で1,500クレジットしか使えません。上の公式例に当てはめると、Standardなリサーチ(200クレジット)で月7回分程度です。無料枠は「向いている業務を見つけるための試し打ち」であり、継続業務の受け皿にはなりません。

残高がゼロを割るとどうなるか

公式ヘルプには、2026年6月更新で追加された挙動の説明もあります。Manusは各アクションのコストを次のアクションの開始時に計算して引き落とすため、残高をわずかに超えるアクションが完了することがあり、そのとき残高が一時的にマイナス表示になります。これは仕様で、次のクレジット更新時に自動解消されます。ただし実質残高がゼロ以下の間は新しいタスクを開始できません。Free・Pro・Teamすべてに共通します。締切前に止まると困る業務では、残高を監視する仕組み(後述のAPI)を先に用意してください。

事前見積もりはできない ── 公式が明言していること

ここは社内説明で必ず聞かれる点です。公式ヘルプは「現時点でManusはクレジット消費を自律的に判断・制御する能力を持たない」「消費量は与えられたタスクの複雑さに依存する」と書いています。さらに、Manus自身が「このタスクは何クレジットです」と述べた場合、それは事実の約束ではなくハルシネーションとして扱うべきと明記しています。同じ記事は、システムの不具合を認めるような発言、物理世界での行動の約束、架空の論文・出典の生成も、ハルシネーションの典型例として挙げています。

公式が示している節約策は、機能ではなく使い方です。

  • タスク分解:長い1本の会話に指示を積むより、小さく焦点を絞ったサブタスクに分ける(処理すべき文脈が増えるほど実行コストが上がる)
  • 最初の精度:会話の冒頭で要件を具体的に言い切り、文脈の長さを短くする
  • 詳細な指示:往復の確認を減らし、目的の成果へ最短で到達させる
  • 似た質問はまとめる:書式の相談と保存の相談を別タスクにせず、1つにまとめる
  • やり直しを減らす:同じ質問を言い換えて投げ直す前に、返ってきた内容を読んで入力を直す

上段にLLMトークン・仮想マシン・サードパーティAPIの3要因、中段に15分のデータ分析200クレジット・25分のWebページ制作360クレジット・80分のWebアプリ開発900クレジットの3枚、下段に事前見積もりはできないと置いた図
公式の消費例と、消費される3要因

Manus AIの使い方|最初の30分の手順

使い方の勘所は、以前は「最初のプロンプトで8割決まる」でした。2026年7月22日にPlan Modeが入ってからは、「完璧なプロンプトを書く」より「計画を読んで直す」ほうが効きます。公式ブログのPlan Mode紹介記事は、その狙いを「ほとんどのAIの失敗は、誰もアプローチをレビューしなかったから起きる」と説明しています。

手順1:Chat Modeで要件を固める(クレジットを使わない)

公式ヘルプのモード解説どおり、Chat Modeでの会話はクレジットを消費しません。目的・制約・出力形式・検証条件の言語化、参考URLの整理、アウトラインの相談はChat Modeで済ませます。ここを飛ばしてAgent Modeで悩ませるのが、いちばん高い無駄です。

手順2:Agent Modeに入り、Plan Modeで計画を承認する

公式ブログによると、Plan Modeの呼び出しはWebでは/を入力して「Plan」を選択、モバイルでは+をタップして「Plan Mode」を選びます。有効にするとManusは実現性を確認し、目的・手順・制約を含むMarkdownの計画書を出します。文脈が足りなければ先に質問が来ます。計画書は自分で書き換えてもよく、Manusに直させてもかまいません。

重要な仕様として、公式は「計画を確定(Confirm)または破棄(Dismiss)するまで、Manusは構築を始めない」と明記しています。既存のWebサイト・スライド・動画が意図せず書き換わるのを防ぐ設計です。Plan Modeは手動で、呼ばない限り邪魔をしません。タスクの途中でも有効・無効を切り替えられ、途中で有効にするとManusはいったん止まり、次フェーズの計画を出して承認を待ちます。

手順3:依頼文には5点だけ入れる

Plan Modeがあっても、最初の一文の質は効きます。入れるのは次の5点です。

  • 目的:何のためにやるのか
  • 入力:参照してよいURL、ファイル、条件
  • 出力:表、レポート、スライド、CSV、Webアプリなどの形式
  • 制約:使ってよい情報源、避けるべき表現、対象地域、対象期間
  • 検証:数字や固有名詞の出典、確認日、未確認情報の扱い

以下のプロンプトは、そのまま貼って使える形にしています。各プロンプトには、本番利用前のテスト注意を入れています。

プロンプト1:市場調査レポートを作る

最初に試すなら調査タスクが向いています。Web検索、比較、要約、表作成、出典整理というManusらしい流れを一度に確認できます。公式の消費例に照らすと、この粒度はStandard相当(200クレジット前後)から始まります。

あなたは市場調査担当です。
目的:日本国内で法人向けAIエージェント導入支援サービスを検討している企業向けに、競合サービスの特徴を整理してください。
対象:公式サイトで確認できるサービスだけ。
出力:1. 主要プレイヤー一覧 2. 提供機能 3. 想定顧客 4. 料金ページの有無 5. 導入前に確認すべきリスク。
制約:数字、料金、導入社数、提携企業名は必ず公式URLを添えてください。公式で確認できないものは「未確認」と明記してください。
注意: 本番環境で使用する前に、必ずテスト環境で動作確認してください。

ポイント:料金や導入社数は誤りが混ざりやすい領域です。公式URLが見つからない場合は「未確認」と返すよう指定しておくと、後で直す手間が減ります。

プロンプト2:競合比較表を作る

比較表はWide Researchと相性がいいタスクです。公式のWide Researchページは、サブエージェントがそれぞれ独立した仮想マシン・ツール・インターネットアクセスを持って並列実行し、項目ごとに新しい文脈で処理するため、件数が増えても品質が落ちにくいと説明しています。項目数が増えても同じ粒度で調べるよう指示します。

以下の競合サービスを比較してください。
比較対象:サービスA、サービスB、サービスC、サービスD。
比較軸:対象顧客、主な機能、AIエージェント機能の有無、外部連携、料金ページ、セキュリティ情報、導入前の確認ポイント。
出力形式:HTMLテーブルと、意思決定者向けの要約を800字以内。
検証条件:各セルに根拠URLを1つ以上付けてください。公式情報がない場合は「公式未確認」と書いてください。
注意: 本番環境で使用する前に、必ずテスト環境で動作確認してください。

想定シナリオ:事業開発チームが新しいSaaSを選定する前に、候補を粗く絞り込みたいケースです。最終判断は人間が行いますが、一次調査のたたき台として使えます。並列オーケストレーションの設計思想は マルチエージェントの設計パターン3選 でも整理しています。

プロンプト3:PowerPointで提案資料を作る

2026年7月14日の公式ブログで、Manusはネイティブの.pptxを直接生成するようになりました。Web形式で作って書き出し時に変換していた以前の方式ではなく、1枚目から.pptxとして作るため、グラフは裏にデータテーブルを持つ編集可能なオブジェクトになり、表はセルの結合・リサイズができ、レイアウトは標準のスライドマスターに従うと説明されています。Manus内でグラフをクリックすると「Elements」(軸・データラベル・グリッド線・凡例の切り替え)と「Edit Data」(表計算オーバーレイでの値編集)のツールバーが出ます。

営業責任者向けの提案スライドを作成してください。
テーマ:AIエージェントを使った問い合わせ一次対応の自動化。
聞き手:ITに詳しくない役員。
ゴール:PoC実施の承認を得ること。
構成:課題、解決策、導入範囲、運用体制、リスク、必要な意思決定。
出力:編集可能な .pptx。グラフは元データを保持した編集可能なチャートにしてください。
制約:効果数値は架空で作らず、未測定の部分は「要測定」と書いてください。
注意: 本番環境で使用する前に、必ずテスト環境で動作確認してください。

ポイント:「効果を大きく見せて」と頼むと、根拠の弱い数値が入りやすくなります。未測定なら未測定と書かせたほうが、社内で通る資料になります。

プロンプト4:成功した作業をAgent Skill化する

同じ作業を繰り返すなら、Agent Skillsが候補になります。公式のAgent Skillsページは、安全なクラウドサンドボックス上でスキルをエンドツーエンドで実行することを特徴として挙げ、ローカルマシンでの実行やIDE・CLIの準備が要る方式との違いを表で示しています。

今の会話で実行した調査ワークフローを、再利用可能なAgent Skillとして設計してください。
目的:毎回同じ形式で競合調査レポートを作る。
入力:調査対象URL一覧、比較軸、対象地域、出力形式。
出力:SKILL.mdの構成案、必要なスクリプト、失敗時の例外処理、チェックリスト。
品質条件:公式情報を優先し、未確認情報を明示し、出典URLと参照日を必ず残す。
注意: 本番環境で使用する前に、必ずテスト環境で動作確認してください。

スキルの設計そのものの考え方は Agent Skills実践ガイド で扱っています。

手順4:方向を分けたいときはBranchする

2026年7月9日の公式ブログで追加されたBranchは、任意のメッセージの下にあるブランチアイコンをクリックすると、そこまでの指示・ファイル・会話履歴をすべて引き継いだ並列セッションを開く機能です。元のセッションはそのまま残り、ブランチごとに独立した文脈のコピーを持つので、方向の違う作業が互いを汚しません。「Branched from」のパンくずで元をたどれます。

議事録から「チームのToDo」「上司への進捗報告」「来週のスライド構成」を作る場合、同じセッションで全部やると会話が伸びて焦点がぶれます。議事録が固まった時点でブランチを切れば、出力ごとに焦点を保ったまま、共通の出発点を壊さずに進められます。

2026年7月以降に増えた機能(旧記事から変わった点)

この記事の以前の版は2026年7月7日時点の公式情報にもとづいていました。それ以降、公式ブログで告知された変更を表にします。日付はいずれも公式ブログの掲載日です。

機能 公式発表日 何が変わるか
Branch 2026年7月9日 任意のメッセージから文脈を引き継いだ並列セッションを作れる。元のセッションは無変更
Auto-Publish 2026年7月13日 公開ポップオーバーのトグルで、ビルド成功のたびに自動デプロイ。既定はオフ
PowerPointスライド 2026年7月14日 変換ではなくネイティブ.pptxを生成。グラフは編集可能なデータ付きオブジェクト
Plan Mode 2026年7月22日 実行前に計画書をレビュー・承認する手動モード。確定するまで構築が始まらない
Supabase連携 2026年7月24日 Supabaseのデータベース構築・移行・運用をManusから扱う
ElevenLabs連携 2026年8月3日 1つのチャットから音声生成を扱う
Cloud Computerの料金体系 ヘルプ更新2026年9月23日 常駐環境が2段の月額プランに整理(後述)
独立運営の再開 2026年9月1日 公式ブログで独立運営の再開と創業チームによる継続経営を発表

Auto-Publishは既定オフのままにしておく

Auto-Publishは便利ですが、公式ブログ自身が「トグルは既定でオフ。すべての反復を公開したいわけではないから、これは意図的な設計だ」と書いています。オンにすると、ビルドが成功した瞬間に公開URLへ反映されます。方向が決まって仕上げに入った局面だけオンにし、実験中はオフに戻す運用が正解です。社外に見える公開物を扱うなら、この1トグルは運用ルールに書いておく価値があります。

データのバックアップ・復元という運用イベントがあった

2026年8月11日の公式ブログ「A Note to Our Users」では、独立運営への移行と特定法域の規制対応のため、一部ユーザーの2025年12月29日以降に生成されたデータを2026年8月23日〜24日(シンガポール時間)に削除することと、8月23日 7:59(SGT)までのバックアップ期間、8月25日 8:00(SGT)以降の復元開始が告知されました。9月1日の公式ブログでは、バックアップ済みで未復元のユーザー向けに復元ポータルが案内され、復元の期限は設けていないと書かれています。

これはManus固有の一度きりの事情ですが、法人にとっての教訓は普遍的です。成果物の保管を単一のSaaSのチャット履歴だけに依存させない。ベンダー継続性の観点は Manus買収破談とTencent最大株主浮上の時系列 にチェックリストを置いています。

Branch 7月9日、Auto-Publish 7月13日、PowerPointスライド 7月14日、Plan Mode 7月22日、Supabase連携 7月24日、ElevenLabs連携 8月3日、独立運営の再開 9月1日、Cloud Computerの料金体系 9月23日を左から右へ並べた時系列図
7月以降に公式が告知した変更

Manus AIで自動化できること一覧

公式の機能ページとヘルプセンターで確認できる範囲では、Manusはかなり広いタスクを対象にしています。実務目線では、次のように整理すると使いどころが見えやすいです。

自動化領域 Manusでできること 実務での使いどころ 注意点
リサーチ Wide Researchで複数項目を並列に調査し、レポートやデータセットにまとめる(サブエージェントは個別のVM・ツール・ネット接続を持つ) 市場調査、競合比較、企業リスト作成、規制調査 出典確認と最新性チェックは人間が行う
Webアプリ生成 自然言語からフロントエンド、バックエンド、データベース、認証を含むWebアプリを生成。コードの全量エクスポートが可能 社内ツール、SaaS試作、LP、フォーム、予約システム 本番利用前にセキュリティ、権限、データ保護の確認が必要
資料作成 ネイティブ.pptxのスライド生成、編集可能なグラフと表、Google Slidesでも開ける出力 営業資料、社内報告、調査レポート、提案書 数字、固有名詞、引用元は必ず検証する
モバイルアプリ Agent Modeでモバイルアプリ開発にも対応(公式ヘルプのモード解説に明記) 社内向けの簡易アプリ、検証用プロトタイプ ストア公開の要件・審査は別途確認する
ブラウザ操作 Manus Browser Operatorで、ログイン済みブラウザの文脈を使ってクリック、入力、抽出を行う CRM確認、管理画面操作、予約、フォーム入力、社内SaaS横断作業 個人情報、契約違反、誤操作のリスクを監視する
メール起点の処理 Mail Manusで、@manus.bot の専用アドレスへ転送・送信・CCして要約、調査、タスク化を行う 問い合わせ整理、ベンダー比較、社内承認、長文スレッド要約 転送してよい情報範囲を事前に決める
反復ワークフロー Agent Skillsで成功した手順をスキル化し、クラウドサンドボックス上で再利用する 月次レポート、営業リスト作成、定型分析、チェックリスト処理 スキルの入力条件と例外処理を明文化する
常駐実行 Cloud Computerで永続ファイルシステムと常時稼働の環境を持つ(bot、定期スクレイパー、DBのホスティング) 24時間動かす定期処理、社内向けAPI、チームのDB 別料金。解約すると環境とファイルが削除される

大切なのは、Manusを「AIに質問する場所」ではなく「小さな業務プロセスを依頼する場所」と捉えることです。質問が曖昧だとManusは計画から迷います。逆に、入力・出力・制約・検証方法が明確なら、調査や資料化のような複数ステップ業務でかなり使いやすくなります。

開発者向け:Manus API v2で自動化に組み込む

画面から使うだけなら前章までで足ります。既存の業務システムやコーディングエージェントから叩くなら、Manus API v2を見てください。公式ドキュメント(2026年9月26日取得)によると、ベースURLはhttps://api.manus.ai、v1は非推奨で将来削除される予定です。新規実装はv2で書きます。

認証とキーの扱い

認証は2方式です。自分の連携やスクリプトにはx-manus-api-keyヘッダー、ユーザーの代理で動く第三者OAuth2アプリにはAuthorization: Bearer {access_token}を使います。公式ドキュメントの注意点は3つです。

  • APIキーはManus WebアプリのDevelopers設定で作成し、1アカウントあたり最大50本まで
  • キーは作成直後に一度しか表示されない。環境変数かシークレットマネージャーに保存する
  • レート制限はユーザー単位で、同一ユーザーの全APIキーが1つのカウンターを共有する。プランによる差はない

タスクを1本投げる(最小構成)

タスク生成はPOST /v2/task.createです。必須のリクエストボディはmessage(その中でcontentが必須)だけです。レスポンスは成功時{"ok": true, "request_id": "...", ...}、失敗時{"ok": false, "request_id": "...", "error": {"code": "...", "message": "..."}}で統一されています。

curl -X POST "https://api.manus.ai/v2/task.create" \
  -H "x-manus-api-key: $MANUS_API_KEY" \
  -H "Content-Type: application/json" \
  -d '{
    "message": {
      "content": "競合4社の公式料金ページを調べ、根拠URL付きの比較表をHTMLで出してください。公式で確認できない項目は未確認と書いてください。"
    }
  }'

# 注意: 本番環境で使用する前に、必ずテスト環境で動作確認してください。

タスクは非同期で走ります。公式ドキュメントの案内どおり、進捗はtask.listMessagesでポーリングし、追加の指示はtask.sendMessageで送ります。task.listMessagesでagent_status: waitingが出たときの確認応答はtask.confirmAction、質問への回答はtask.sendMessageと、用途が分かれている点に注意してください。

実装前に押さえたい制約も公式に明記されています。message.contentのユーザーテキストはおよそ5,000推定トークンが上限で、超えるとInvalidArgument(HTTP 400)が返ります。添付はfile.upload経由のfile_idなら1ファイル512MBまで、URL指定のfile_urlとインラインのfile_dataは20MBまでです。アップロードしたファイルは48時間後に自動削除されます。

クレジット残高をAPIで監視する

前章で書いたとおり、残高がゼロ以下になると新しいタスクを開始できません。定期実行に組み込むなら、GET /v2/usage.availableCreditsで残高と更新予定を見て、閾値を切ったら止める・通知する設計にします。公式のレスポンススキーマにはtotal_credits、free_credits、periodic_credits、addon_credits、pro_monthly_credits、event_credits、refresh_credits、max_refresh_credits、next_refresh_time、refresh_interval、current_period_endが定義されています。チーム利用ならusage.teamStatistic(期間内の日次消費合計)とusage.teamLog(メンバー別のタスク数と消費合計)も使えます。

import os
import requests

BASE = "https://api.manus.ai"
HEADERS = {
    "x-manus-api-key": os.environ["MANUS_API_KEY"],
    "Content-Type": "application/json",
}
THRESHOLD = 500  # 残高がこれを下回ったらタスクを投げない

def available_credits() -> dict:
    # usage.availableCredits は GET、task.create は POST(公式OpenAPI定義)
    r = requests.get(f"{BASE}/v2/usage.availableCredits", headers=HEADERS, timeout=30)
    r.raise_for_status()
    body = r.json()
    if not body.get("ok"):
        raise RuntimeError(body.get("error"))
    return body["data"]

def create_task(prompt: str) -> dict:
    credits = available_credits()
    if credits["total_credits"] < THRESHOLD:
        raise RuntimeError(f"残高不足のため中止: {credits['total_credits']}")
    r = requests.post(
        f"{BASE}/v2/task.create",
        headers=HEADERS,
        json={"message": {"content": prompt}},
        timeout=30,
    )
    r.raise_for_status()
    return r.json()

# 注意: 本番環境で使用する前に、必ずテスト環境で動作確認してください。

なおusage.availableCreditsは、公式ドキュメントに「標準のOAuthクライアントからはアクセスできない」と注記があります。自前のAPIキーで叩く前提の設計にしてください。

レート制限(v2・ユーザー単位・1分あたり)

バッチで回す設計を決める前に、公式のレート制限表を確認します。プランによる差はありません。

エンドポイント 上限(1分あたり) 設計への影響
task.create 10回 大量投入はキューで間隔を空ける。同時タスク上限(Pro/Teamで20)とは別枠
task.sendMessage 10回 追い指示の連投に注意
task.listMessages / task.detail / task.list 各100回 ポーリング間隔は数秒空ければ足りる
task.update / task.stop / task.delete / task.confirmAction 各40回 確認応答が多い運用では余裕を見る
file.upload 40回 添付の多いバッチは分割する
user.me / project.list / skill.list / agent.list 各100回 起動時の一覧取得は問題になりにくい

ポーリングを避けたい場合はwebhook.createでタスクのライフサイクル通知を受け取り、webhook.publicKeyで取得した公開鍵で署名を検証します。出力の形を固定したいときはtask.createにstructured_output_schemaを渡します。

Cloud Computer(常駐環境)の料金と落とし穴

「Manusでbotを24時間動かしたい」「作ったWebアプリをそのまま動かしたい」という相談には、Cloud Computerが答えになります。ただし料金とデータの扱いを知らずに使うと危険です。公式ヘルプ(2026年9月23日更新)の記載を整理します。

既定の実行環境は一時サンドボックスです。データ分析、Pythonスクリプト、ドキュメント作成、Webアプリのビルドには十分ですが、タスクが終わると環境は閉じられます(成果物はチャット履歴に残ります)。対してCloud Computerは永続ファイルシステムと常時稼働を持ち、ファイル・インストールしたツール・動いているプロセスがセッションをまたいで残ります。

プラン 価格(公式) 円の目安(1ドル150円換算) スペック 公式が挙げる用途
Standard(公式の推奨) 月30ドル 約4,500円/月 2 vCPU・4GB RAM・70GBストレージ 稼働中のWebサイトのホスティング、APIのデプロイ、WordPressやMetabaseなどOSSの運用
Advanced 月50ドル 約7,500円/月 2 vCPU・8GB RAM・120GBストレージ MySQLなど大きめの永続チームDB、アクセスの多いアプリ

全プランに専用のパブリックIPが付き、OSはUbuntu Server 24.04 LTS、課金は月単位です。GUIはなくコマンドラインで動くため、やりたいことを文章で説明すれば構成できるのが公式の説明です。

落とし穴は2つあります。1つ目はアップグレード時にVMが再起動すること。稼働中のWebサイト・bot・スクリプトは一時停止し、完了後に自動再開します。2つ目が重大で、契約が切れるか支払いを止めると、永続VMはシャットダウンされ、そのCloud Computer上の作業ファイル・インストール済みツール・データベースは削除されます。チャット上でManusが渡した最終成果物は履歴に残りますが、環境内のデータは消えます。公式も「解約前に重要なDBやファイルをローカルまたはクラウドストレージへバックアップするようManusに頼むこと」を強く推奨しています。本番で使うなら、バックアップの取得先と頻度を先に決めてください。

法人でManusを使う前に決める5点

Manusは便利ですが、設計をせずに使うとクレジット消費、情報の持ち出し、成果物の品質ばらつきが起きます。最初に決めるべきことは次の5つです。

  • 対象業務:繰り返し発生し、入力と出力が定義できる業務を選ぶ。公式の消費例(200/360/900クレジット)に当てはめて月間回数を見積もる
  • 権限範囲:ブラウザ操作、メール転送、コネクタ連携、ファイル添付で扱ってよい情報を決める。送信・削除・購入・契約変更は人間承認を必須にする
  • データの扱い:公式ヘルプはTeamプランの機能としてデータ学習のオプトアウトと社内アクセス制御を挙げている。個人Proのまま業務データを入れないよう、契約形態を先に決める
  • 品質基準:出典URL、参照日、未確認情報の明示、レビュー担当を必須にする。公式も高影響の話題では「行動する前に検証する」通知を出し、Manusを最終権威ではなく出発点として扱うよう案内している
  • コスト管理:検証タスク・定常タスク・大型タスクを分け、usage.availableCreditsやチーム利用状況の分析で消費を記録する。残高ゼロで新規タスクが止まる前提で閾値を置く

「AIに任せる」と「AIに任せてよい状態を作る」は別物です。営業リスト作成を依頼するなら、対象地域、除外業種、企業規模、重複判定、公式サイト優先、出典、出力列を明確にしないと、後で人間が大きく直すことになります。権限とポリシーの設計は AIエージェントのガバナンス・権限設計 にまとめています。

最初の検証では、次のログを残してください。

  • 依頼文(Plan Modeの計画書を承認したかどうかも)
  • 使用したファイルとURL
  • 完了までにかかった時間
  • 消費クレジット(公式の消費例と比べる)
  • 修正が必要だった箇所
  • 次回プロンプトに追加すべき条件

このログがあると、次に似た業務を任せるときにプロンプトを改善できます。Agent Skills化する場合も、成功条件と失敗条件を明文化しやすくなります。

【要注意】よくある失敗パターンと回避策

失敗1:Chat ModeとAgent Modeを使い分けない

❌「要件の相談から成果物の生成まで、全部Agent Modeで投げる」

⭕「要件・構成・制約の相談はChat Mode、実行だけAgent Mode」

なぜ重要か:公式ヘルプはChat Modeでの会話がクレジットを消費しないと明記しています。要件が固まっていない状態でAgent Modeに悩ませると、消費だけ増えて成果物が的を外します。

失敗2:計画を確認せずに実行させる

❌「一発のプロンプトで完成品を出させて、違ったらメッセージで直していく」

⭕「Plan Modeで計画書を出させ、1行直してからConfirmする」

なぜ重要か:公式ブログはPlan Modeの狙いを「アプローチが誰にもレビューされないまま実行されることが失敗の原因」と説明し、確定するまで構築が始まらない仕様を明記しています。計画段階で気づく修正は、公開後に直すより安く済みます。

失敗3:料金や効果数値をAIの出力だけで信じる

❌「Manusがこの料金だと言ったから、そのまま社内資料に入れる」

⭕「公式価格ページ、公式ヘルプで確認し、参照日を入れる」

なぜ重要か:公式ヘルプは、Manus自身のクレジット消費見積もり発言をハルシネーションとして扱うべきと明記しています。料金、クレジット、制限、導入効果は必ず一次情報を確認してください。

失敗4:ログイン済みブラウザ操作を無制限に許す

❌「CRMも請求管理も全部触っていい」

⭕「読み取りだけ、対象画面だけ、操作前に確認、送信・削除・購入は禁止」

なぜ重要か:Browser Operatorはログイン済み環境で動くため、誤操作の影響が大きくなります。特に送信、削除、購入、契約変更、顧客データ出力は人間の承認を挟むべきです。ブラウザ自動化のリスク設計は Browser-useによるブラウザ自動化ガイド でも整理しています。

失敗5:Auto-Publishを入れたまま実験する

❌「公開が楽だからAuto-Publishは常にオン」

⭕「仕上げのセッションだけオン、実験中はオフに戻す」

なぜ重要か:Auto-Publishはビルド成功のたびに公開URLへ反映します。公式ブログも既定オフを意図的な設計と説明しています。レイアウトや配色を試している最中の版が外から見える状態は、社外向けサイトでは事故になります。

失敗6:常駐環境の解約でデータを失う

❌「使わなくなったCloud Computerをそのまま解約する」

⭕「解約前にDBとファイルをローカルまたはクラウドストレージへ退避する」

なぜ重要か:公式ヘルプは、支払いを止めると永続VMがシャットダウンされ、その環境内の作業ファイル・ツール・DBが削除されると明記しています。チャット履歴に残るのは、Manusが渡した最終成果物だけです。

セキュリティと運用ルール

Manusを業務に入れるなら、セキュリティと運用ルールは必須です。公式のAgent Skillsページは、スキルを安全なクラウドサンドボックスで実行する点を特徴として挙げています。ただし、それで企業側の責任が消えるわけではありません。

最低限、次のルールは用意してください。

  • 顧客個人情報、契約書、認証情報、APIキーをそのまま貼らない。APIキーは環境変数かシークレットマネージャーに置く
  • メール転送・ブラウザ操作・コネクタ連携で扱ってよいシステムを限定する
  • 支払い、削除、外部送信、契約変更は人間承認を必須にする
  • 成果物に含まれる出典、数字、固有名詞をレビューする(公式も「AIの出力は一意でない場合があり、著作権や法令適合の確認は利用者側で必要」と明記している)
  • 定型業務は、レビュー済みプロンプトやAgent Skillだけを使う
  • クレジット消費が大きいタスクは、最初に小さなサンプルで試す
  • 重要な成果物は、SaaSのチャット履歴だけに保管しない

公式は高影響の話題(健康・財務・法的権利に関わる判断)で「High-impact topic」の通知を表示し、公式または権威ある情報源で重要な詳細を確認する/利害が大きいときは専門家に相談する/Manusは出発点であり最終権威ではないと案内しています。この通知は情報提供のみで、会話を止めたり回答を拒否したりはしません。運用ルールとして「どの判断はManusの出力だけで決めないか」を先に書いておくのが実務的です。

AIエージェント導入でよくある失敗は、技術よりも運用の未定義です。どの画面を触ってよいか、どのファイルを読ませてよいか、どの出力をそのまま使ってよいかが決まっていないと、便利さがそのままリスクになります。

Manus AIはどんな人に向いているか

Manusは、単にAIと会話したい人よりも、業務の塊を渡したい人に向いています。特に相性がいいのは次のような人です。

  • 競合調査や市場調査を定期的に行う事業開発・マーケティング担当(Wide Researchと相性がよい)
  • 社内向けの提案資料、役員報告、営業資料を頻繁に作るPM・営業企画(ネイティブ.pptx出力が効く)
  • 小さなWebアプリや社内ツールを素早く試作したい非エンジニア部門(Plan Modeで要件のズレを先に潰せる)
  • メール、ブラウザ、ファイル、表計算をまたぐ反復業務を減らしたいオペレーション担当
  • 成功した作業手順をAgent Skillsとして標準化したいAI推進担当
  • 既存システムからエージェントを呼びたい開発者(API v2・Webhook・構造化出力がある)

逆に、厳密な本番コード、金融・医療・法務の最終判断、個人情報を含む大量処理、規制対象データの自動送信などは、Manus単体で完結させるべきではありません。人間のレビュー、権限管理、監査ログ、テスト環境、本番承認フローを組み合わせてください。

よくある質問

Q. Manus(マナス)AIとはどんなツールですか?ChatGPTやClaudeと何が違いますか?

依頼を受けて自分で計画を立て、実行して成果物まで出す汎用AIエージェントです。公式ヘルプのモード解説では、Agent Modeは「あなたの指示にもとづいてManusが自律的に計画を立ててタスクを完了させる」モードで、Webサイト・スライド・動画の生成やモバイルアプリ開発まで対象に入ると説明されています。チャットで回答を受け取るだけでなく、調べる・整理する・ファイルを作る・ブラウザを操作する・公開するまでを1つの依頼で担わせる前提のサービスです。

Q. Manus AIの月額料金はいくらですか?

2026年9月26日時点の公式ヘルプでは、Freeが0ドル、Proが月20ドルから(月4,000クレジット)と月40ドルから(月8,000クレジット・7日間の無料トライアル)、Teamが1席あたり月20ドルからです。年払いはいずれも17%割引と明記されています。1ドル150円で単純換算すると、20ドルは約3,000円、40ドルは約6,000円が目安です(公式は米ドルのみの表示で、円への換算と手数料は利用者の金融機関側が決めます)。それより上の段と追加クレジットの単価は、公式価格ページがJavaScript描画のため当日は機械的に取得できず、確認できていません。

Q. Manus AIは無料で使えますか?どこまでできますか?

使えますが、継続業務には足りません。公式ヘルプによるとFreeは0ドルで、Agent ModeはManus 1.6 Liteのみ、同時タスク1、スケジュールタスク2です。クレジットは毎日300が付与され、00:00 UTC(日本時間 午前9時)にリセットされ、繰り越しはできません。さらに無料会員は日次リフレッシュクレジットの月間消費上限が1,500クレジット(有料会員は上限なし)と明記されています。公式の消費例(データ分析15分で200クレジット)に当てはめると、月7回程度の試し打ちが上限の目安です。

Q. マナスAIはどこの国の会社ですか?中国のAIですか?

公式サイトのフッターは2026年9月26日時点で「© 2026 Manus AI · Singapore.」と表記されています。所有権をめぐる経緯は2025年末から動き続け、公式ブログは2026年8月11日に独立企業としての運営再開を予告し、2026年9月1日に「Manus Resumes Independent Operations」で独立運営の再開と創業チームによる継続経営を発表しました。株主構成と買収の時系列は Manus買収破談とTencent最大株主浮上の時系列 にまとめています。

Q. マナスAIは安全ですか?企業で使ってよいですか?

公式ヘルプでは、Teamプランの機能としてデータ学習のオプトアウトと社内アクセス制御が挙げられており、高影響の話題では「行動する前に検証する」通知が出ます。一方で、ログイン済みブラウザ操作やメール転送を許す運用は自社側の設計次第でリスクが変わります。企業利用の可否の判断軸と論点は Manus AIの危険性|安全性と企業利用の可否 に切り出しています。

Q. 1タスクでクレジットはどれくらい消費しますか?

公式のクレジット解説ページに実例が載っています。15分のデータ分析・可視化リサーチ(Standard)で200クレジット、25分のWebページ制作(Standard)で360クレジット、80分のWebアプリ開発(Complex)で900クレジットです。消費はLLMトークン・仮想マシン・サードパーティAPIの3要因で決まり、量はタスクの複雑さと実行時間に依存します。完了済みタスクの保存やデプロイ自体では消費しません。

Q. 事前に消費クレジットは分かりますか?

分かりません。公式ヘルプは「現時点でManusはクレジット消費を自律的に判断・制御する能力を持たない」と明記し、Manus自身が消費量を宣言した場合はハルシネーションとして扱うべきと書いています。透明性向上は今後の改善課題として案内されています。実務では、公式の消費例を基準に小さく試してから本数を増やしてください。

Q. マナスAIの何がすごいのですか?

並列実行と、実行前のレビューです。公式のWide Researchページは、サブエージェントがそれぞれ独立した仮想マシン・ツール・ネット接続を持ち、項目ごとに新しい文脈で処理するため件数が増えても品質が落ちにくいと説明しています(中央のエージェントが配分と回収を行い、サブエージェント同士は会話しません)。2026年7月22日に入ったPlan Modeでは、実行前に目的・手順・制約のMarkdown計画書が出て、確定するまで構築が始まりません。2026年7月14日からはネイティブ.pptxを直接生成し、グラフは裏にデータを持つ編集可能なオブジェクトになります。

Q. Manusで作った成果物は商用利用できますか?権利は誰のものですか?

公式ヘルプは「Manusで作ったコンテンツ(Webサイト、画像、動画、スライド、その他のAI生成出力)はすべてあなたのもの」「ManusはあなたのInput・Outputの所有権を主張しない」「適用法令と第三者の権利に従う範囲で、個人利用・商用利用のいずれにも自由に使える」と明記しています。一方で「AIの出力は一意とは限らず、知的財産法で保護されない場合があり、著作権や法令適合の確認は利用者側で必要」とも書かれています。運用ではサービス提供のためにコンテンツを利用し、匿名化・集計した形で品質改善に使う場合があるが所有権には影響しないとされています。

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参考・出典

以下はすべて2026年9月26日に取得した一次情報です。

  • Manus Help Center: What is the current membership pricing for Manus? — Free 0ドル/Pro 20ドル・40ドル/Team 1席20ドルから、年払い17%割引、各プランの月次クレジット・同時タスク・スケジュールタスク・利用可能モデル、Basic/PlusのPro改称(参照日: 2026-09-26)
  • Manus公式 What are credits — クレジットの定義、消費の3要因、実タスクの消費例(200/360/900クレジット)、消費順(参照日: 2026-09-26)
  • Manus Help Center: credits consumption rules — 消費順、無料会員の月間上限1,500クレジット、日次クレジットはManus 1.6 Liteのみ、残高マイナス時の挙動、更新サイクル、技術的失敗時の全額返却(参照日: 2026-09-26)
  • Manus Help Center: daily refresh credits — 1日300クレジット、00:00 UTCリセット、繰り越しなし、有効期間24時間(参照日: 2026-09-26)
  • Manus Help Center: pre-task credit estimate — 事前見積もり機能がないこと、ハルシネーションの典型例、消費を抑える3戦略(参照日: 2026-09-26)
  • Manus Help Center: how to optimize my credit usage — 似た質問の統合、指示の簡潔化、やり直しの削減(参照日: 2026-09-26)
  • Manus Help Center: Chat mode と Agent mode の違い — Chat Modeはクレジットを消費しない、Agent Modeは自律実行で消費、Manus 1.6 Max / 1.6 / 1.6 Liteの利用範囲、モバイルアプリ開発対応(参照日: 2026-09-26)
  • Manus Help Center: pricing unit and local currency — 価格は米ドルで統一、換算レートと手数料は利用者の金融機関側(参照日: 2026-09-26)
  • Manus Help Center: Cloud Computer plans and billing — Standard 月30ドル(2 vCPU/4GB/70GB)、Advanced 月50ドル(2 vCPU/8GB/120GB)、Ubuntu Server 24.04 LTS、専用パブリックIP、解約時のデータ削除(ヘルプ更新日: 2026-09-23/参照日: 2026-09-26)
  • Manus Help Center: What is the Cloud Computer — 一時サンドボックスとの違い、永続ファイルシステムと常時稼働、Desktop(My Computer)との区別(参照日: 2026-09-26)
  • Manus Help Center: 成果物の所有権 — 出力の所有権は利用者、商用利用可、AI出力の保護可能性と法令確認は利用者責任(参照日: 2026-09-26)
  • Manus Help Center: Verify before you act — High-impact topic通知の意味、公式・権威ある情報源での確認、Manusを最終権威としない(参照日: 2026-09-26)
  • Manus公式ブログ: Introducing Plan Mode — 2026年7月22日。/と+での呼び出し、Markdown計画書、確定まで構築を始めない、途中有効化(参照日: 2026-09-26)
  • Manus公式ブログ: Introducing Branch — 2026年7月9日。文脈を引き継いだ並列セッション、元セッションは無変更、Branched fromのパンくず(参照日: 2026-09-26)
  • Manus公式ブログ: Introducing Auto-Publish — 2026年7月13日。ビルド成功時の自動デプロイ、既定オフ、公開ポップオーバーでの切り替え(参照日: 2026-09-26)
  • Manus公式ブログ: Introducing PowerPoint Slides on Manus — 2026年7月14日。ネイティブ.pptx生成、編集可能なグラフと表、ElementsとEdit Data(参照日: 2026-09-26)
  • Manus公式ブログ: A Note to Our Users — 2026年8月11日。独立運営への移行に伴うデータ削除・バックアップ・復元の日程(参照日: 2026-09-26)
  • Manus公式ブログ: Manus Resumes Independent Operations — 2026年9月1日。独立運営の再開、創業チームによる継続経営、復元ポータルに期限なし(参照日: 2026-09-26)
  • Manus Wide Research — サブエージェントが個別のVM・ツール・ネット接続を持つ並列処理、項目ごとに新しい文脈、中央オーケストレーション(参照日: 2026-09-26)
  • Manus Agent Skills — 安全なクラウドサンドボックスでのエンドツーエンド実行、ワンクリックのスキル取り込み(参照日: 2026-09-26)
  • Manus Web app — フルスタック生成、内蔵DBとバックエンド、Stripe・画像生成・地図などの連携、コードの全量エクスポート(参照日: 2026-09-26)
  • Mail Manus — @manus.bot の受信アドレス作成、送信元の登録、転送でのタスク化(参照日: 2026-09-26)
  • Manus API v2 Introduction — ベースURL https://api.manus.ai、v1の非推奨、レスポンスの統一形式とエラーコード(参照日: 2026-09-26)
  • Manus API v2 Authentication — x-manus-api-keyとOAuth2、APIキーは1アカウント50本まで、キーは一度だけ表示、レート制限はユーザー単位(参照日: 2026-09-26)
  • Manus API v2 task.create — POST /v2/task.create、必須はmessageとcontent、本文は約5,000推定トークン上限、添付はfile_idで512MB・file_url/file_dataで20MB(参照日: 2026-09-26)
  • Manus API v2 usage.availableCredits — 残高・更新情報のフィールド定義、標準OAuthクライアントは利用不可(参照日: 2026-09-26)
  • Manus API v2 Rate Limits — task.create 10回/分、参照系100回/分、更新系40回/分、プランによる差なし(参照日: 2026-09-26)
  • Manus Pricing Plans — 価格ページ(JavaScript描画のため当日のHTML取得では価格の数値を機械的に読み取れず。金額は必ずこのページで確認する/参照日: 2026-09-26)

まとめ:Manus AIを実務で試す3つのアクション

Manus(マナス)AIは、調査・資料・Webアプリ・メール・ブラウザ操作・常駐処理をまとめて扱える汎用AIエージェントです。2026年9月時点の使い方の芯は、Chat Modeで要件を固め、Plan Modeで計画を承認し、Agent Modeで実行するという3段です。料金はクレジット制で、公式が示す消費例は15分のデータ分析で200クレジット、80分のWebアプリ開発で900クレジット。事前見積もり機能はなく、Manus自身の見積もり発言は公式がハルシネーションとして扱うよう案内しています。

  1. 最初の着手:この記事の市場調査プロンプトをPlan Mode経由で1本流し、公式URL付きの比較レポートを作って消費クレジットを記録する。
  2. チーム共有:出力品質、修正点、消費クレジット、レビュー時間を記録し、公式の消費例と突き合わせて向いている業務・向いていない業務を分ける。
  3. 運用前確認:ログイン済みブラウザ、メール転送、コネクタ連携、支払い・削除操作のルールと、Teamプランでのデータ学習オプトアウトの要否を決めてから、定型業務のAgent Skill化とAPI連携に進む。

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著者:佐藤傑(さとう・すぐる)。株式会社Uravation代表取締役。X(@SuguruKun_ai)フォロワー約10万人。100社以上の企業向けAI研修・導入支援。著書『AIエージェント仕事術』。SoftBank IT連載を執筆。

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