「Claude CodeはGitLabでも使えるのか?」——答えはイエスで、2026年8月13日〜17日のv2.1.232〜v2.1.234で正式にGitLab連携が入りました。glab CLIを認証しておけば、GitLabリモートを持つリポジトリでMRバッジがstatuslineに表示され、マージリクエストのURLから直接worktreeを作って作業を始められます。必要な手順は「glabのインストール→認証→Claude Code側の確認」の3ステップだけです。
検証環境でGitLab.com上のプロジェクトに対して一通り試したところ、GitHub+gh CLIで慣れていたワークフローがほぼそのままGitLabに持ち込める感触でした。この記事では、公式CHANGELOGで確認できる追加内容の整理から、glab CLIのセットアップ、MRを起点にした実際の使い方までを、実コマンドつきで順に紹介します。
3連続リリースで何が追加されたのか
GitLab対応は1回のリリースで一気に入ったのではなく、2026年8月中旬の3バージョンにまたがって段階的に追加されました。公式CHANGELOGとGitHub Releasesの公開日で確認できる内容を整理すると次のとおりです。
| バージョン | 公開日(UTC) | GitLab関連の追加内容 |
|---|---|---|
| v2.1.232 | 2026-08-13 | プラグインマーケットプレイスがgitlab.comのリポジトリURL(ネストしたサブグループ含む)に対応。GitLab系トークン(glrt-、gloas-、glptt-、glagent-、glimt-、glsoat-、glcbt-、glft-、glffct-)のシークレットマスキングを追加し、glab CLIの設定ストアにghと同等のサンドボックス・認証情報パス保護を適用 |
| v2.1.233 | 2026-08-14 | --worktreeフラグとclaude agentsビューがGitLabのマージリクエストURLに対応(MRは!N形式で表示) |
| v2.1.234 | 2026-08-17 | フッターとstatuslineにGitLab MRバッジを追加。GitLabリモート+認証済みglab CLIの環境でMR !Nがdraft/pending/greenの状態つきで表示される |
ポイントは、この3つが「マーケットプレイス」「worktree」「statusline」という別々のレイヤーに効いていることです。つまり単発の機能追加ではなく、gh CLI前提だった箇所を順にglab対応させていく設計変更として読めます。なお、GitLab連携が使える正確なバージョン下限について公式ドキュメントに明示の記載は見当たらないため、本記事では公式CHANGELOGで確認できる範囲(上記3バージョンでの追加)を根拠として扱い、それ以前のバージョンでの挙動は断定しません。
事前準備:glab CLIをインストールする
Claude CodeのGitLab連携は、GitLab公式のCLIツール「glab」が認証済みであることを前提にしています。glabはGitLab.com、GitLab Dedicated、GitLab Self-Managedに対応しており、公式にサポートされるGitLabバージョンは16.0以降です。
まずはインストールから。macOS/Linux/Windows(WSL経由)で公式にサポートされているパッケージマネージャーはHomebrewです。
# Homebrew(macOS / Linux / WSL)
brew install glab
# 既にインストール済みなら更新
brew upgrade glab
# バージョン確認
glab version
Homebrewを使わない場合は、GitLab公式リポジトリのリリースページからOS別のバイナリを直接ダウンロードできます。詳細は記事末の出典にあるgitlab-org/cliリポジトリを参照してください。
ポイントは以下の2つです。
- glabは作業中のGitディレクトリのリモートから認証済みホスト名を自動検出する。GitLab.comとSelf-Managedの複数インスタンスを併用していても切り替えの手間が少ない
- MR操作(
glab mr)だけでなくCI/CDパイプライン(glab ci)やリリース管理(glab release)も扱えるため、Claude Codeと関係なく単体でも導入価値がある
glabの認証を通す
インストールできたら認証です。対話型のセットアップを起動します。
# 対話型セットアップを開始
glab auth login
# 認証状態とトークンの保存場所を確認
glab auth status
認証方式は公式ドキュメント上、次の3系統から選べます。
- OAuth(GitLab.com):ブラウザ経由で認証。ヘッドレス環境ではデバイスフローを使用
- OAuth(Self-Managed / Dedicated):事前にクライアントIDを登録したうえで同様に認証
- パーソナルアクセストークン(PAT):最低でも
apiとwrite_repositoryのスコープが必要
認証情報はデフォルトでOSのキーリング(macOS/Windows/Linux)に保存され、キーリングが使えない環境では設定ファイルに保存されます。glab auth statusを実行すると各トークンがどこに保存されているかまで表示されるので、セットアップ後に一度確認しておきましょう。
注意: 本番環境のリポジトリで使用する前に、必ずテスト用プロジェクトで動作確認してください。特にPATを発行する場合、スコープは必要最小限(api+write_repository)にとどめ、有効期限を設定することをおすすめします。
MRバッジをstatuslineで確認する
glabの認証が通った状態でGitLabリモートを持つリポジトリでClaude Codeを起動すると、v2.1.234以降はフッターとstatuslineにMRバッジが表示されます。表示条件と読み方は次のとおりです。
- 表示条件:リポジトリにGitLabリモートがあり、かつglab CLIが認証済みであること
- 表記:GitLab流の
MR !N形式(GitHubのPR#Nに相当) - 状態表示:draft(下書き)/pending(レビュー・パイプライン待ち)/green(通過)の状態が反映される
検証してみて便利だと感じたのは、エディタやブラウザに切り替えずに「いま作業中のブランチのMRがどの状態か」をClaude Codeの画面内で把握できる点です。GitHub+ghの組み合わせで先行して提供されていた体験が、GitLabユーザーにもそのまま届いた形になります。
–worktreeフラグにMR URLを渡す
v2.1.233では、--worktreeフラグがGitLabのマージリクエストURLに対応しました。--worktree(短縮形-w)はGit worktreeを作成し、そこでClaude Codeセッションを開始するフラグです。公式CLIリファレンスに記載されている基本構文はブランチ名(worktree名)を渡す形です。
# 基本形:worktree名を指定してセッション開始
claude --worktree fix-login-bug
# 短縮形+tmux統合
claude -w fix-login-bug --tmux
v2.1.233のCHANGELOGには「GitLab merge request URL support to the –worktree flag」と明記されており、GitLabのMR URL(例:https://gitlab.com/グループ名/プロジェクト名/-/merge_requests/42のような形式)をこのフラグに渡せるようになっています。URL指定時の詳細な挙動やオプションの組み合わせは公式CLIリファレンスにまだ個別の記載がないため、手元のclaude --helpで最新の説明を確認してから使ってください。
あわせて、バックグラウンドセッションを一覧するclaude agentsビューでもGitLabのMRが!N形式で表示されるようになりました。複数のMRを並行して進める場合に、どのセッションがどのMRに紐づいているかを一覧で追えます。
glabコマンドで日常のMR操作を補完する
Claude Codeのセッション内外を問わず、MRの一覧確認や承認はglab側のコマンドで完結できます。公式READMEに記載されている代表的な使い方はこのあたりです。
# 自分がアサインされているMRを一覧
glab mr list --assignee=@me
# 自分にレビュー依頼が来ているMRを一覧
glab mr list --reviewer=@me
# MR番号を指定して承認
glab mr approve 235
ポイントは、Claude Codeが表示するMRバッジの!N番号と、glabコマンドで指定するMR番号がそのまま対応することです。statuslineで気づいたMRの状態変化を、その場でglab mr系コマンドから確認・操作する、という流れが自然に組めます。
worktreeベースの並行作業については、Claude Code自身が過去にサブエージェントのworktree分離まわりの権限問題を修正してきた経緯があります。分離の仕組みを理解しておきたい方はClaude Codeが塞いだサブエージェントの権限の穴とはもあわせてどうぞ。
プラグインマーケットプレイスとトークン保護
v2.1.232では、機能面と同時にセキュリティ面のGitLab対応も入っています。ここは企業利用の観点で見逃せないところです。
gitlab.comのリポジトリをマーケットプレイスとして追加できる
プラグインマーケットプレイスの参照先として、gitlab.comの素のリポジトリURLを指定できるようになりました。ネストしたサブグループ(gitlab.com/company/team/subgroup/repoのような構造)にも対応し、github.comのURLと同じ感覚でcloneされます。clone時の認証エラーのヒントメッセージも、実際のGitホスト名を名指しで案内するよう改善されています。社内のGitLabグループ配下でプラグイン集を管理している組織にとっては、配布経路がそのまま使えるということです。
GitLab系トークンのシークレットマスキング
同じv2.1.232で、GitLabのトークンファミリーに対するシークレットマスキングが追加されました。CHANGELOGに列挙されているのはglrt-、gloas-、glptt-、glagent-、glimt-、glsoat-、glcbt-、glft-、glffct-の9系統で、加えてルーティング可能なglpat-(パーソナルアクセストークン)とgldt-(デプロイトークン)は全体マスキングの対象です。さらに、glab CLIの設定ストア(トークンが保存されうる場所)には、gh CLIと同等のサンドボックス保護・認証情報パス保護が適用されます。
Claude Codeの認証情報保護の全体像はClaude Code サンドボックスmaskモード解説|認証情報を守る新機能で詳しく扱っているので、トークン管理を見直す際の参考にしてください。
【要注意】つまずきやすいポイントと対処
失敗1:glab未認証のままMRバッジが出るのを待つ
❌ Claude Codeを最新化しただけでMRバッジが表示されると思い込む
⭕ glab auth statusで認証済みであることを先に確認する
なぜ重要か:MRバッジの表示条件は「GitLabリモート+認証済みglab CLI」の両方です。片方でも欠けるとバッジは出ません。切り分けの最初の一手はglab auth statusです。
失敗2:PATのスコープ不足
❌ read系スコープだけのPATで認証してMR操作が失敗する
⭕ 公式ドキュメントの指定どおりapiとwrite_repositoryの両スコープを付与する
なぜ重要か:閲覧はできるのに作成・更新系だけ失敗する、という中途半端な状態は原因究明に時間がかかります。最初から必要スコープを満たしたトークンを発行するほうが結果的に安全で速いです。
失敗3:Self-Managed環境でGitLab.com向けの手順をそのまま使う
❌ 社内GitLab(Self-Managed)に対してGitLab.com向けOAuthフローを試して詰まる
⭕ Self-Managed/DedicatedではクライアントIDの事前登録が必要。組織の管理者に確認してからglab auth loginを進める
なぜ重要か:認証方式はインスタンス種別で分かれています。glab自体はGitLab 16.0以降のSelf-Managedをサポートしますが、OAuthの経路は環境依存です。
失敗4:古いバージョンのClaude Codeで検証してしまう
❌ バージョンを確認せずに「GitLab連携が動かない」と判断する
⭕ claude --versionで確認し、機能ごとの追加バージョン(マーケットプレイス=v2.1.232、worktree=v2.1.233、MRバッジ=v2.1.234)を上回っているかを見る
なぜ重要か:今回の対応は3リリースに分かれて入ったため、「一部だけ動く」状態が起こりえます。どの機能がどのバージョン起点かを押さえておくと切り分けが一瞬で終わります。
GitHub一強だったClaude Codeにとっての意味
Claude Codeはこれまで、gh CLI連携・PRバッジ・GitHub Actions連携など、Git連携機能の多くがGitHub前提で作られてきました。一方、企業の内製開発ではSelf-Managed GitLabやGitLab Dedicatedを標準にしている組織が少なくありません。「Claude Codeは試したいがリポジトリはGitLabにある」という理由で、MR連携部分だけ手作業に落ちていたチームは実際にあります。
今回の3リリースで、その断絶が「マーケットプレイス配布」「MR起点のworktree作業」「MR状態の可視化」「トークン保護」という実務の主要ポイントでほぼ埋まりました。gh CLIに対して提供されていた保護・連携をglab CLIに対等に適用するという方針が読み取れる点も、継続的なサポートを期待できる材料です。
正直にお伝えすると、GitHub連携と完全に同等になったと断定できる段階ではありません。公式ドキュメント上、GitLab固有の制限事項の一覧はまだ整備途上で、細かい挙動はCHANGELOGとリリースノートを追う必要があります。それでも「GitLabだからClaude Codeのワークフロー連携を諦める」というフェーズは終わった、と言ってよい変化です。なお、worktreeを軸にした並行開発フローは競合のGitHub Copilot CLIも追随しており、比較の観点はGitHub Copilot CLI worktree対応|v1.0.78を検証で整理しています。
よくある質問
GitLab Self-Managed(社内GitLab)でも使えますか?
glab CLI自体はGitLab.com、GitLab Dedicated、Self-Managed(16.0以降)をサポートしており、複数インスタンスの認証にも対応しています。Claude Code側のCHANGELOGで明示されているのはgitlab.comリポジトリURLのマーケットプレイス対応などで、Self-Managed環境固有の挙動については公式に網羅的な記載がないため、まずテスト用プロジェクトで動作確認することをおすすめします。
MRバッジが表示されません。何を確認すべきですか?
確認順は3つです。(1) Claude Codeがv2.1.234以降か、(2) リポジトリのリモートがGitLabを指しているか(git remote -v)、(3) glab auth statusで認証が通っているか。この3条件がそろって初めてバッジが表示されます。
gh CLIとglab CLIは同居できますか?
両者は独立したCLIで、それぞれ自分のホスト(github.com / GitLabインスタンス)に対して認証します。Claude Codeはv2.1.232以降、glabの設定ストアにghと同等の保護を適用しているため、GitHubとGitLabのリポジトリを行き来する環境でも扱いは対称的です。
どのバージョンから使えますか?
公式CHANGELOGで確認できる範囲では、マーケットプレイスのGitLab対応とトークンマスキングがv2.1.232(2026-08-13公開)、–worktreeのMR URL対応がv2.1.233(2026-08-14公開)、MRバッジがv2.1.234(2026-08-17公開)です。それより前のバージョンでの部分的な対応有無は公式情報で確認できないため断定しません。
結論
Claude CodeのGitLab連携は、v2.1.232〜234の3リリースで「配布・作業・可視化・保護」の4点セットが揃い、実務投入できる水準になりました。セットアップの実体は「glabを入れて認証する」だけで、Claude Code側に特別な設定は要りません。GitLabを標準にしている開発チームは、次の順で試してみましょう。
- 今日やること:
brew install glab→glab auth login→glab auth statusで認証を通し、GitLabリポジトリでClaude Codeを起動してMRバッジ表示を確認する - 今週中:レビュー中のMRを1本選び、
--worktreeでMRから作業を開始するフローをチームの1人で試す - 今月中:社内GitLabグループでのプラグイン配布(マーケットプレイス指定)と、PATのスコープ・有効期限ポリシーの見直しをセットで整備する
あわせて読みたい:
- Claude Code サンドボックスmaskモード解説|認証情報を守る新機能 — トークン保護の全体像
- GitHub Copilot CLI worktree対応|v1.0.78を検証 — 競合CLIのworktree事情
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参考・出典
- Claude Code CHANGELOG(anthropics/claude-code) — Anthropic公式リポジトリ(参照日: 2026-08-22)
- Claude Code Releases — GitHub Releases(v2.1.232〜234の公開日を確認。参照日: 2026-08-22)
- GitLab CLI(glab)公式リポジトリ — GitLab公式(インストール・対応バージョン・コマンド一覧。参照日: 2026-08-22)
- Authenticate with GitLab(glab認証ドキュメント) — GitLab公式ドキュメント(認証方式・必要スコープ。参照日: 2026-08-22)
- Claude Code CLIリファレンス — Anthropic公式ドキュメント(–worktreeフラグの基本構文。参照日: 2026-08-22)
