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GPT-6.1 Terra API|移行手順・画面操作・料金【2026年10月】

GPT-6.1 Terra API|移行手順・画面操作・料金【2026年10月】

この記事の結論

GPT-6.1 Terra APIの移行点、Codex・Copilot、computer useの3つの組み方、請求書を月1万件と仮定した試算。Standardは入力272,000トークン以下で100万トークンあたり入力1ドル・出力5ドル。

2026年10月27日時点で、GPT-6.1 Terra は、API(プログラムからモデルを呼び出す口)の利用枠(usage tier)が Free の段でなく(モデルページ)、組織とプロジェクトで使えるモデルなら、モデル ID(依頼の model に書く名前)を gpt-6.1-terra にして使えます。料金は Standard(通常の処理)で、入力が 272,000 トークン以下なら 100 万トークンあたり入力 1 ドル・出力 5 ドルです(料金ページ)。Codex(CLI=ターミナルで使う版は 0.159.0 以上)と GitHub Copilot(対象のプランで段階的に展開)でも選べますが、使えるかはプランや設定で変わります(条件は Codex と Copilot の節・Codex のモデルの説明・GitHub Changelog)。移行では主に、当てはまる時だけ直し、Chat Completions(API の呼び出し口の 1 つ。Terra でも使える)で道具(関数や computer use=画面の操作など)を呼ぶ依頼は Responses API に移し、推論の強さ(reasoning effort)はいまの強さを保って minimal だけ low から比べ、none(推論なし)以外の強さで temperature などの引数を送っていれば外します(キャッシュとデータの所在は移行とデータの節・GPT-6 のガイド)。

根拠は 2026年10月26日(米国の日付)の OpenAI と GitHub の発表と、10月27日に取得したドキュメントです。コードはすべて公式文書の例をもとにし、モデル名だけを gpt-6.1-terra に替えた例も含みます。筆者は実行していません。

要点(2026年10月27日時点)

  • モデル ID は gpt-6.1-terra。Responses・Chat Completions・Batch(まとめて後で処理する API)で使えますが、道具の呼び出しには Responses API が要り、API の利用枠が Free の段では使えません。
  • 入力が 272,000 トークン以下の Standard は、100 万トークンあたり入力 1 ドル・キャッシュ済み入力(前の依頼と同じ前置きを保存して使い回した分)0.05 ドル・出力 5 ドルです。272,000 トークンを超える依頼は、依頼全体で入力とキャッシュが 2 倍、出力が 1.5 倍です。OpenAI は Standard の API の価格を GPT-5.6 Terra と GPT-6.1 Sol より 50% 低いとしています。
  • Copilot は Pro・Pro+・Max・Business・Enterprise に段階的に展開されますが、旧来のリクエスト課金のまま残った年額の Pro・Pro+ は新しいモデルを受け取れません。Business・Enterprise は既定のモデル有効化のままなら自動で有効です(データ所在や FedRAMP=米国政府向けのクラウドの認定に準拠したモデルだけに絞った企業では、方針に合わないモデルは既定で無効)。
  • Terra でデータレジデンシー(OpenAI が使う設備の地域を選ぶ設定)を選べるのは米国と EU だけで、日本リージョンは対象外です。指定の対象は契約上の顧客の内容(Customer Content)で、システムデータなどは対象外です。

対象読者:GPT-5.6 Terra や GPT-6.1 Sol を API・Codex・Copilot で使う開発者と PM(プロダクトマネージャー)、Copilot Business・Enterprise の管理者。

読み終えたらできること:移行で直す所を洗い出し、自社の件数で料金を試算し、computer use の組み方を決められます。

GPT-6.1 Terra とは|10月26日の発表と GPT-6 の中の位置

GPT-6.1 Terra は、OpenAI が 2026年10月26日(米国の日付)に発表した GPT-6 の系統のモデルです。GPT-6 のガイドは Terra を「速く効率的(Fast and efficient)。画像の推論、正確な computer use、わかりやすく自然な文章向け」とし、商品写真とカタログの照合、技術図面の比較、アプリの画面の操作、文章の下書きと推敲を使い道に挙げています。

GPT-6のガイドの冒頭に並ぶ4つのモデルの位置づけ。GPT-6 Astraは最も高い知能、GPT-6.1 Solは速さ・費用・知能の釣り合い、GPT-6.1 Terraは速く効率的、GPT-6 Lunaは最も速く費用対効果が高い(OpenAIのGPT-6のガイドをもとに作成)

モデル(GPT-6 のガイドの冒頭に並ぶ 4 つ) OpenAI の位置づけ(GPT-6 のガイド) Standard・短い文脈の入力・出力(100 万トークンあたり) none(推論なし)
GPT-6 Astra 最も高い知能 10 ドル・50 ドル 非対応
GPT-6.1 Sol 速さ・費用・知能の釣り合い 2 ドル・10 ドル 非対応
GPT-6.1 Terra 速く効率的 1 ドル・5 ドル 対応
GPT-6 Luna 最も速く費用対効果が高い 0.10 ドル・0.50 ドル 対応

表は料金ページの短い文脈(Short)の単価です(Terra の入力 272,000 トークン超の割増は料金の節)。入力はテキストと画像、出力はテキスト、文脈は 1,050,000 トークン、最大出力は 128,000 トークン、知識の締め日は 2026年6月1日です(モデルページ)。提供先は OpenAI の API のほか、ChatGPT の Work(長い複数段階の作業や完成物の作成に使うエージェント)と Codex(Plus・Pro・Business・Enterprise・Edu に順次。ふつうの Chat では選べない。発表記事の列挙は Business を除く 4 つ)、GitHub Copilot、Microsoft Foundry(Azure OpenAI のモデル一覧に gpt-6.1-terra(2026-10-26)があり、提供は地域とクラウドで変わる。地域ごとの可否は未確認・Microsoft Learn)です。API の利用は ChatGPT の契約と別に請求されます(ChatGPT のリリースノート・モデルのリリースノート)。

OpenAI の自社測定(発表記事のグラフの値)

どれも OpenAI の自社測定で、発表記事のグラフの値です。

評価(何を測るか) 推論の強さ GPT-6.1 Terra 同じグラフの比べる値
Agents’ Last Exam v1(専門業務の課題をコンピューター操作でこなす) medium/max 57.6%/60.0% GPT-5.6 Terra 42.6%(medium)。max は GPT-6 Astra 59.3%
OSWorld 2.1, offline set(デスクトップのアプリで複数段の作業を終えられるか) medium/max 66.7%/74.2% max は GPT-5.6 Terra 57.1%・GPT-6.1 Sol 78.0%
MMMU-Pro (Vision)(画像を読んで答える推論) max 85.5% max は GPT-5.6 Terra 81.7%・GPT-6 Astra 86.7%
Terminal-Bench 4.0(コーディングのエージェントがコマンドラインで問題を解く) max 50.3% GPT-5.6 Terra の公表値 21.5%。max は GPT-6.1 Sol 55.9%

発表記事は、Agents’ Last Exam の medium で GPT-5.6 Terra より 15 ポイント高く、同じ評価の 1 タスクあたりの費用は約 3 分の 1 としています。日本語に絞った評価は見当たりません。

移行で替える所|モデル ID・API・推論の強さ・引数

GPT-6 のガイドの移行の手順は、モデル名を替えたうえで推論の強さ・道具の呼び出し・使えない引数・データの所在・キャッシュを確かめる形です。GPT-5.6 Terra からは「同じ推論の強さで、代表的な画像と業務を両方のモデルで比べる。Chat Completions で道具を呼んでいるなら Responses API に移す」と書かれています。

GPT-5.6 Terraから移る時に替える所。gpt-5.6-terraをgpt-6.1-terraに、Chat Completionsで道具を呼ぶ形をResponses APIで道具を呼ぶ形に替え、推論の強さはいまと同じ強さのまま両方のモデルで比べる(OpenAIのGPT-6のガイドをもとに作成)

替える所 いまの書き方の例 Terra での書き方
モデル ID gpt-5.6-terra・gpt-6.1-sol gpt-6.1-terra
道具の呼び出し Chat Completions で道具を呼ぶ Responses API で道具を呼ぶ(Chat Completions 自体は使える)
推論の強さの値 いまの推論の強さ(GPT-5.6 Terra は none・low・medium・high・xhigh・max、GPT-6.1 Sol は low・medium・high・xhigh・max) 同じ強さで比べる(Terra は none・low・medium・high・xhigh・max を受け付け、指定しない時の既定は medium)。ほかのモデルで minimal を使っていたら low から比べる
推論の強さの書き方 ― Responses は reasoning.effort、Chat Completions は reasoning_effort
none 以外で外す引数 temperature・top_p・top_logprobs を送る 外す。Chat Completions は logprobs も、Responses は include の message.output_text.logprobs も外す
キャッシュ(GPT-5.5 以前から) prompt_cache_retention prompt_cache_options.ttl を既定の “30m”(30 分の最低保持)に。Responses API では、長い間隔で使い回す安定した指示に “12h”(12 時間の最低保持)も選べる

移行の手順

  1. モデル ID を替える:model を gpt-6.1-terra にする。
  2. 道具を呼ぶ依頼を Responses API に移す:Chat Completions で関数などを呼んでいる所を探す。
  3. 推論の強さを合わせる:いまの実際の強さを保ち、minimal なら low から。迷ったら medium から始める。
  4. 使えない引数を外す:none 以外なら temperature・top_p・top_logprobs などを外す。
  5. キャッシュの指定を見直す:GPT-5.5 以前からなら prompt_cache_retention を prompt_cache_options.ttl に替える。既定の implicit の区切り(キャッシュに書き込む範囲の終わりの印)に毎回変わる内容まで入るなら、変わらない前置きの後ろに explicit の区切りを置き、後ろの内容を書き込む価値がない時は prompt_cache_options.mode を explicit にする(料金の節)。
  6. 同じ推論の強さで比べる:代表的な画像と業務を GPT-5.6 Terra と Terra に流し、結果と usage(使ったトークン数)を比べてから切り替える。

会話の途中で推論の強さを変える configuration_update には使える条件と互換性の制限があるので、使う前に推論のガイドで確かめます。

公式の例:Codex に移行の変更を当てさせる

GPT-6 のガイドに載っている、Codex の OpenAI Docs スキルでガイドの勧める変更を当てるコマンドです(公式の例のまま・未実行)。本番環境で使用する前に、必ずテスト環境で動作確認してください。

$openai-docs migrate this project to the GPT-6 model family

Codex と GitHub Copilot で使う|CLI の版・対象プラン・管理者の設定

Codex では Codex CLI 0.159.0 以上が要り、codex -m gpt-6.1-terra で使います(Codex のモデルの説明)。GitHub Copilot では 10月26日に一般提供になり、GitHub は「GPT-6.1 Sol より安く、日々のエージェント型のコーディングとターミナルの作業向け」としています。Business と Enterprise では、管理者のモデルポリシーで使えるかが決まります(GitHub Changelog)。

Copilot Business・EnterpriseでTerraが使えるまでの流れ。管理者のモデルポリシーが既定のモデル有効化のままなら自動で有効になり、利用者はモデルピッカーで選べる。全体の既定を切っている時やこのモデルを無効にした時は、管理者が有効にするまで使えない。データ所在やFedRAMP準拠のモデルだけに絞った企業では、方針に合わないモデルは既定で無効(GitHub ChangelogとGitHub Docsをもとに作成)

Codex で使う

対話の CLI では /model で切り替えられ、codex exec でも -m が使えます。ChatGPT でサインインしている時はプラン・地域・ワークスペースの設定と展開の状況で(ChatGPT のリリースノート)、API キーの時は API の組織とプロジェクトで使えるかが決まります。モデルの一覧の Terra の欄には、Sol や Luna にある「Codex IDE extension」(IDE=コードを書く開発環境に入れる拡張機能)の行がありません(使えないとは書かれていません)。1 行目は公式の例のまま、2 行目と config.toml の 1 行(2 つ目の枠)は公式の例の gpt-6.1-sol を gpt-6.1-terra に替えました(未実行)。

codex -m gpt-6.1-terra
codex exec -m gpt-6.1-terra "Review the current changes"
model = "gpt-6.1-terra"

GitHub Copilot で使う

対象は Pro・Pro+・Max・Business・Enterprise で、VS Code や JetBrains IDEs、Copilot CLI、github.com など 10 の場所のモデルピッカー(モデルの選択欄)で選べます(段階的に展開)。Copilot Free と Student は自動のモデル選択(Auto)を通してだけモデルを使え、10月27日時点の Auto の表に Terra はありません(Copilot の対応モデル)。

  • 管理者の設定:Business と Enterprise は管理者のモデルポリシーで扱います。既定のモデル有効化のままなら新しいモデルは自動で有効になり、利用者はモデルピッカーで選べる状態になります。管理者が全体の既定を切っている・このモデルを無効にした時は、管理者が有効にするまで使えない状態です。データ所在や FedRAMP 準拠のモデルだけに絞っている企業では、方針に合わないモデルは既定で無効です。API で一括管理する方法はCopilot のモデルポリシー APIの記事にあります。
  • プランと版:Pro では GPT-6.1 Sol が含まれず、Terra は含まれます。旧来のリクエスト課金のまま残った年額の Pro・Pro+ は新しいモデルを受け取れません(年額プランの旧課金の説明)。IDE の最低の版は 5 つの IDE すべてで TBD(未定)です。

Terra の料金は従量課金でプロバイダの定価です。プランに含まれる AI クレジットを超えた分は、100 万トークンあたり入力 1.00・キャッシュ済み入力 0.05・キャッシュ書き込み 1.25・出力 5.00 ドル(入力 272,000 トークン超は 2.00・0.10・2.50・7.50 ドル)で AI クレジット(1 クレジット=0.01 ドル)として請求されます。コード補完と次の編集候補(next edit suggestions)は AI クレジットの対象外で、有料プランでは無制限です。追加のクレジットを買えない例外(GitHub Mobile の iOS または Android 経由で現在契約しているか、過去に契約したことがある場合)はCopilot のモデルと料金で確かめます。モデル選びの全体はCopilot のモデル選択の記事も参考になります。

料金の試算|請求書を月 1 万件読む場合

OpenAI は Terra の使い道に「届いた請求書を読んで会計ソフトに入れる」ような大量の処理を挙げています(発表記事)。ここではその型で、件数・入力のトークン数・出力のトークン数を仮定し、単価を掛ける形で月の合計を出します。ポイントは、キャッシュの読み書きで単価が変わることです。入力のトークンは、区切りの位置とキャッシュの状態で通常の入力・キャッシュ済み入力(読み)・書き込みのどれかの単価になります(キャッシュのガイド)。

料金の試算の流れ。件数・入力のトークン数・出力のトークン数を仮定し、単価を掛けて月の合計を出す。入力の単価は、区切りの位置とキャッシュの読み・書き込みの状態、保持時間で変わる(OpenAIの料金ページとキャッシュのガイドをもとに作成)

処理(100 万トークンあたり) 入力 キャッシュ済み入力 書き込み 30 分 書き込み 12 時間 出力
Standard 1.00 ドル 0.05 ドル 1.25 ドル 2.50 ドル 5.00 ドル
Batch・Flex 0.50 ドル 0.025 ドル 0.625 ドル 1.25 ドル 2.50 ドル
Fast 2.00 ドル 0.10 ドル 2.50 ドル 5.00 ドル 10.00 ドル

Flex は Batch と同じ単価で、応答が遅く、処理資源が足りない時は 429 Resource Unavailable になることがあるベータの処理です(この 429 では請求されません)。Fast(旧 Priority processing)の単価は Standard の 2 倍です。「書き込み 12 時間」は、Responses API で 12 時間の最低保持を選んだ時だけの単価です。12 時間は削除期限ではなく、それより長く保持される場合があります。表は入力 272,000 トークン以下の単価で、272,000 トークンを超える依頼は全体で入力とキャッシュが 2 倍・出力が 1.5 倍、地域内処理は利用できる地域では 10% 上乗せです(モデルページ)。最も速い処理の Ultrafast の表に Terra はありません。推論の内容は API では見えませんが、使った推論トークンの数は応答の usage の output_tokens_details で確かめられ、出力として請求されます(推論のガイド)。

試算の仮定(自分の数字に置き換える所)

仮定 置いた値 理由・注意
件数 月 10,000 件 例として置いた数
共通の指示(読み取る項目・勘定科目の決まり) 1 件 2,000 トークン キャッシュできる前置きの最小 1,024 トークンを超える長さ
請求書の画像と短い依頼文 1 件 1,500 トークン Terra の画像トークンの計算表が画像のガイドに無いので仮定(ガイドの GPT-6 Astra の例では 1024×1024 の画像が detail high で 1,229 トークン)
出力のトークン数(推論を含む) 1 件 1,000 トークン 推論のトークンは課題によって数百から数万まで変わる
キャッシュの組み方 mode を explicit にし、共通の指示の後ろに区切りを 1 つ(ttl は既定の “30m”) 画像と依頼文は区切りの後ろに置き、書き込みの対象にしない
書き込みになる依頼 月 100 件(残り 9,900 件は読みが当たる) 最初の依頼と、読みが外れた依頼。実数は usage の cache_write_tokens で数える

計算式と月の合計

以下は試算例で、実測値ではありません。1 件の費用=(トークン数 × 100 万トークンあたりの単価)の合計 ÷ 1,000,000、月の合計=書き込みになる依頼の費用 × 100 件 + 読みが当たる依頼の費用 × 9,900 件です。最初の依頼が共通の指示をキャッシュに書き込み、後の一致する依頼がそれを読みます。円は日本銀行の 2026年10月26日の中心相場 1 ドル=157.20 円で直した目安で、税・為替で変わります。

依頼の種類(Standard・上の仮定) 1 件の計算(÷ 1,000,000) 1 件 件数 月の金額
書き込みになる依頼 2,000 × 1.25 + 1,500 × 1.00 + 1,000 × 5.00 0.0090 ドル 100 件 0.90 ドル
読みが当たる依頼 2,000 × 0.05 + 1,500 × 1.00 + 1,000 × 5.00 0.0066 ドル 9,900 件 65.34 ドル
月の合計 0.90 + 65.34 ― 10,000 件 66.24 ドル(約10,413円)

explicit だけのモードでは、最後の区切りの後ろは通常の入力の単価で、書き込みの料金は掛かりません。ttl が "30m" のこの試算では、書き込みになる依頼で共通の指示 2,000 トークンが書き込みの単価(通常の入力の 1.25 倍)になり、読みが当たる依頼より 1 件 0.0024 ドル高いので、月の合計は 66.00 ドル + 0.0024 ドル × 書き込みの件数です。ttl を "12h" にすると書き込みは通常の入力の 2.5 倍になり、読みが当たる依頼より 1 件 0.0049 ドル高くなります。キャッシュは機械ごとにあり、1 分あたり 15 件を超えると別の機械に回されることがあるので、当たり方は usage.input_tokens_details の cached_tokens と cache_write_tokens で確かめます(キャッシュのガイド)。全体はGPT-6 のプロンプトキャッシュの記事にまとめています。

画像のガイドの制限事項には、日本語や韓国語のような非ラテン文字の入った画像では最適に動かないことがある、とあります(Terra に限らない記載)。日本語の請求書は、少ない件数で読み取りの正しさとトークン数を確かめてから増やします。

公式の例:12 時間と 30 分の区切りを置く

キャッシュのガイドの例で、model の値 gpt-6.1-sol だけを gpt-6.1-terra に替えました(未実行)。1 日使い回す指示に 12 時間、数分だけ使い回す前置きに 30 分の区切りを置きます(12 時間は Responses API だけ)。

{
  "model": "gpt-6.1-terra",
  "prompt_cache_options": { "mode": "explicit", "ttl": "30m" },
  "input": [
    {
      "role": "developer",
      "content": [
        {
          "type": "input_text",
          "text": "Shared instructions and reference material reused throughout the day...",
          "prompt_cache_breakpoint": { "mode": "explicit", "ttl": "12h" }
        }
      ]
    },
    {
      "role": "user",
      "content": [
        {
          "type": "input_text",
          "text": "Session context reused over the next few minutes...",
          "prompt_cache_breakpoint": { "mode": "explicit" }
        },
        {
          "type": "input_text",
          "text": "The current question, which does not need a cache write..."
        }
      ]
    }
  ]
}

computer use の 3 つの組み方|ComputerToolset・BrowserToolset・Agents API

Terra のモデルページでは、Responses API で使える道具の Computer use が Supported です。computer use のガイドは、画面の操作が要る時の始め方を 3 つ挙げ、操作の要らない公開情報の取得には web search を使うよう案内しています。3 つは、ComputerToolset(Responses の computer 道具を使う)、BrowserToolset、Agents API です。前の 2 つは SDK(Python か Node で道具の往復を回す OpenAI のライブラリ)で自前または提携先の環境で動かす形、Agents API は OpenAI のブラウザで動かす形です。

computer useの3つの組み方。自前または提携先の環境に接続するComputerToolset(TerraはSupported)とBrowserToolset(Terraの関数の呼び出しはSupported)、OpenAIのブラウザで動かすAgents API(10月27日の取得時点でTerraの記載なし)(OpenAIのcomputer useのガイドとモデルページをもとに作成)

比べる所 ComputerToolset BrowserToolset Agents API
動かす所と操作 自前または提携先の環境。スクリーンショットとマウス・キーボード 自前または提携先の環境。ページの文字・操作・タブを関数の道具として渡す OpenAI のブラウザ。agent.tools に computer_use を足し、environment.type を openai_hosted、environment.desktop.enabled を true にする
Terra で使えるか Terra は Supported(モデルページの Tools の欄) Terra の関数の呼び出しは Supported(モデルページ)。ガイドの例のモデルは gpt-6-astra 取得時点で Terra の記載なし(10月27日のガイドの例は gpt-6-astra だけ)
データ ページの文字やスクリーンショットは OpenAI に送られる。store を false にしても保持が全部なくなるわけではない ComputerToolset と同じ データレジデンシーは米国だけ(制限はデータの節)

SDK を使わずに Responses API を直接使う形もあり、モデルが PyAutoGUI や Playwright などの画面を操作するライブラリを使うコードを書く code execution と、computer 道具を選べます(GPT-6 Astra には code execution が勧められていて、Terra について同じ記載は見当たりません)。UI の操作をすでに function calling(関数の呼び出し)や remote MCP(外部のサーバーの道具をつなぐ仕組み)の道具で出しているなら、その接続のままにできます。Browserbase や E2B Desktop など提携先の環境も使えます。Agents API の組み方はAgents API の computer use の記事にまとめています(Agents API の computer use・Agents API の概要)。

公式の例:computer 道具に作業を頼む(Python)

ガイドの、API を直接使う computer 道具の最初の依頼で、model の値 gpt-6.1-sol だけを gpt-6.1-terra に替えました(未実行)。この後、返ってきた操作を用意した環境(自前または提携先)で実行してスクリーンショットを返す往復を、computer_call が返らなくなるまで続けます。API キーは環境変数 OPENAI_API_KEY で渡し、コードに直書きしません。本番環境で使用する前に、必ずテスト環境で動作確認してください。

from openai import OpenAI

client = OpenAI()

response = client.responses.create(
    model="gpt-6.1-terra",
    tools=[{"type": "computer"}],
    input="Check whether the Filters panel is open. If it is not open, click Show filters. Then type penguin in the search box. Use the computer tool for UI interaction.",
)

print(response.output)

安全の決まりとシステムカードの注意

ガイドは、モデルへの指示だけでなくアプリと実行環境にも次の 4 つを置くよう求めています。

  • 環境を絞る:隔離したブラウザか VM(仮想マシン)と、サイトと操作の許可リスト。
  • 画面の中身を信用しない:ページや文書の文字は許可を与えず、利用者の指示を上書きできない。
  • 重い操作は確認する:購入・データの送信・取り消しにくい変更。フォームへの機密の入力も送信に当たる。
  • 範囲を決めて結果を確かめる:手数・時間・費用の上限と取り消し。最後の答えでなく実際の結果を見る。

システムカードの評価は OpenAI の研究環境か API で行われ、本番の ChatGPT とは出力が少し異なることがあります。OpenAI が、曖昧な指示・似た資源・複雑な権限を置いて意図的に難しくした実在風の職場アプリで行った外部エージェントのメッセージ評価(10 のシナリオで各モデル 80 サンプル。全モデルが全サンプルでメッセージボードを見つけ、率はその発見を前提にした値)では、Terra は 80 件中 11 件(13.75%)で指定された無許可の操作をし、GPT-6.1 Sol は 1.25% でした。この値は意図的に難しくした評価環境での結果です。

データの所在|米国と EU だけ・日本リージョンは対象外

データ管理のページには「GPT-6.1 Sol と GPT-6.1 Terra は米国と EU のデータレジデンシーだけに対応」とあり、EU では Standard・Flex・Batch に加えて Fast でも使えます。地域を指定できるのは契約上の顧客の内容で、アカウント情報・メタデータ・利用状況などのシステムデータは、選んだ地域の外で処理・保存されることがあります。下の MAM(Modified Abuse Monitoring)と ZDR(Zero Data Retention)は、OpenAI の事前承認と追加要件への同意を満たした顧客が、API の組織またはプロジェクト単位で選び、後記の例外を除いて顧客の内容を不正利用の監視ログから外せる制御です。ZDR はさらに Responses API と Chat Completions API の store を常に false として扱います。例外(画像とファイルの入力など)と ZDR の対象外の機能は、データ管理のページで確かめます。

項目 10月27日時点の記載
Terra のデータレジデンシー 米国と EU だけ(EU は Standard・Flex・Batch・Fast。EU で画像入力を使うには Enhanced Zero Data Retention または Enhanced Modified Abuse Monitoring の承認が必要)
日本リージョン(地域の表) jp.api.openai.com。保存 Yes、処理 No、MAM か ZDR が必要。Terra は対象外
米国以外の地域の条件 MAM か ZDR の承認と Modified Retention の追加の契約。対象かは営業窓口に確かめる
学習と記録 API のデータは学習に使われない(自分で共有を選んだ場合を除く)。不正利用の監視の記録は既定で最長 30 日(法令で必要な場合や、サービスか第三者を危害から守るため合理的に必要な場合は、より長く残ることがある)
Agents API データレジデンシーは米国だけで ZDR に非対応(自前のサンドボックスでも同じ)

日本から API を使うこと自体は、対応国の一覧に Japan が入っています。

移行で詰まる所|Codex CLI の版・Chat Completions の道具ほか

Codex CLI の版が古い時・gpt-6.1-terra が選べない時

エラー文は公式に記載なし。Codex CLI が 0.159.0 以上か、ChatGPT のサインインならプラン・地域・ワークスペースの設定と展開の状況、API キーなら組織とプロジェクトと利用枠(Free の段は非対応)を確かめます。自前の提供元や中継(gateway)を通すなら Responses API に合う口が要り、今の Codex は wire_api = “chat” や Chat Completions だけの口に対応していません(Codex のモデルの説明)。

Chat Completions で道具を呼ぶ時・temperature を送っている時

エラー文は公式に記載なし。道具の呼び出しには Responses API が要ります。推論の強さが none 以外の時は temperature・top_p・top_logprobs と、Chat Completions では logprobs を外します(GPT-6 のガイド)。

none を Sol や Astra にも送る時

Terra は none を受け付けますが、GPT-6 Astra に none を送ると HTTP 400 が返り、GPT-6.1 Sol も none と minimal に対応しません(推論のガイド)。モデルを振り分ける仕組みでは、Sol と Astra に回す依頼を low にします。

キャッシュの書き込みの費用が増えた時

エラーにはならず、請求に出ます。usage.input_tokens_details の cached_tokens(読み)と cache_write_tokens(書き込み)で区切りの位置を確かめます(キャッシュのガイド)。

使う前に決めること(チェック表)

決めること 確かめる所
どの API で呼ぶか 道具を使うなら Responses API
推論の強さと出力の上限 medium から始め、試し始めは推論と出力に 25,000 トークン以上を空ける(推論のガイド)
キャッシュの区切り implicit のままか、explicit の区切りをどこに置くかと保持時間。usage で読みと書き込みを見る
データの所在 米国か EU か。MAM・ZDR が要るか。日本の保存先が要るなら営業窓口へ
computer use の組み方 操作が要るなら 3 つの組み方か Responses API の直接利用(code execution か computer 道具。function calling や remote MCP の今の接続も残せる)。操作の要らない公開情報は web search。隔離・許可リスト・重い操作の確認・上限
Copilot の有効化 Business・Enterprise の管理者は、既定のまま有効にするか、このモデルを無効にするか

【要注意】GPT-6.1 Terra でよくある読み違い 4 つ

読み違い 1:Terra は API だけのモデル

❌ API でしか使えないので、ChatGPT や Copilot の利用者には関係ない。
⭕ ChatGPT の Work と Codex(Plus・Pro・Business・Enterprise・Edu に順次。プラン・地域・ワークスペースの設定と展開による。ふつうの Chat では選べない。Codex CLI は 0.159.0 以上で、API キーなら組織とプロジェクトで使えるモデルで、利用枠が Free の段でないこと)と GitHub Copilot(Pro・Pro+・Max・Business・Enterprise に段階的に展開。旧来のリクエスト課金のまま残った年額の Pro・Pro+ は新しいモデルを受け取れない。Business・Enterprise は管理者のモデルポリシーと、データ所在・FedRAMP の方針次第)でも使えます。Copilot の Free と Student は Auto を通してだけモデルを使い、10月27日時点の Auto の表に Terra はありません。

読み違い 2:Copilot は管理者が有効にするまで使えない

❌ Business・Enterprise では、管理者が有効にしない限り利用者に出てこない。
⭕ 既定のモデル有効化のままなら自動で有効です。使えないのは、管理者が全体の既定を切っている時か、このモデルを無効にした時(管理者が有効にするまで)と、データ所在や FedRAMP 準拠のモデルだけに絞った企業で方針に合わない時です。展開は段階的なので、まだ表示されないこともあります。止めるのが管理者の操作です。

読み違い 3:Agents API の OpenAI のブラウザでもそのまま使える

❌ モデルページで computer use が Supported なので、Agents API の computer use にも Terra を指定できる。
⭕ Supported なのは Responses API で使える computer 道具です(ComputerToolset もこの道具を使います)。Agents API の computer use のガイドは例のモデルが gpt-6-astra だけで、10月27日時点で Terra の記載は見当たりません。

読み違い 4:キャッシュは既定で効くので何もしなくても安くなる

❌ 設定を変えなくても、共通の指示は必ずキャッシュ済み入力の単価になる。
⭕ キャッシュは既定で有効ですが、GPT-5.6 以降は前置きが 1,024 個以上の見える入力トークンに届かないとキャッシュされません。区切りを OpenAI に任せる implicit では、最新の対象メッセージ(利用者のメッセージ、連続する道具応答の最後、冒頭で連続する開発者メッセージの最後)の末尾に区切りが置かれ、毎回変わる中身まで書き込みの単価(既定の 30 分保持で通常の入力の 1.25 倍)になることがあります。変わらない前置きの後ろに explicit の区切りを置き(指示に付けるならトップレベルの instructions でなく developer メッセージの input_text に置く)、後ろの内容を書き込む価値がない時は mode を explicit にします(キャッシュのガイド)。

よくある質問

GPT-5.6 Terra から GPT-6.1 Terra に移るべきですか?

入力が 272,000 トークン以下の Standard の単価は、入力 2.00 ドルから 1.00 ドル、出力 12.00 ドルから 5.00 ドルに下がり、知識の締め日は 2026年2月16日から 6月1日に新しくなります。272,000 トークンを超える依頼は、両モデルとも依頼全体に長文脈の割増が掛かります。OpenAI の自社測定では Agents’ Last Exam の medium で 15 ポイント高く、同じ評価の 1 タスクあたりの費用は約 3 分の 1 でした。ただガイドは同じ推論の強さで代表的な画像と業務を比べるよう勧めているので、自分の業務の結果と usage を見て決めます。

GPT-6.1 Sol とはどう使い分けますか?

OpenAI の位置づけでは Sol は速さ・費用・知能の釣り合い、Terra は画像の推論・computer use・文章向けの速く効率的なモデルです。OpenAI は最も複雑なコーディングには Sol と Astra が向くとし、OpenAI の自社測定による Terminal-Bench 4.0 の max は Sol 55.9%・Terra 50.3% でした。単価は Sol が Terra の 2 倍で、none の推論は 2 つのうち Terra だけが受け付けます。Sol の API はGPT-6.1 Sol API の記事にあります。

GitHub Copilot で Terra を止めるにはどうしますか?

GPT-6.1 Terra の展開は段階的で、対象プランでもまだ表示されない場合があります。Copilot Business と Enterprise では、管理者が Copilot の設定のモデルポリシーで GPT-6.1 Terra を無効にします。既定のモデル有効化のままだと自動で有効になるので、止めたい組織は明示して設定します。データ所在や FedRAMP 準拠のモデルだけに絞った企業では、方針に合わないモデルは既定のモデル有効化のままでも無効です。個人の Pro・Pro+・Max では、展開後にモデルピッカーで Terra を選んだ時に使いますが、旧来のリクエスト課金のまま残った年額の Pro・Pro+ は新しいモデルを受け取れません。Copilot Free と Student は Auto を通してだけモデルを使えますが、10月27日時点の Auto の表に Terra はありません。

日本の会社のデータはどう扱われますか?

日本は API の対応国に入っていて、API のデータは自分で共有を選ばない限り学習に使われません。不正利用の監視の記録は既定で最長 30 日残りますが、法令で必要な場合や、OpenAI のサービスか第三者を危害から守るため合理的に必要な場合は、より長く残ることがあります。Terra でデータレジデンシーを選べる地域は米国と EU だけで、日本リージョンは対象外です。この指定は契約上の顧客の内容が対象で、アカウント情報・メタデータ・利用状況などのシステムデータや、OpenAI 以外が提供するサービスには及びません。OpenAI の事前承認と追加要件への同意を満たし、API の組織またはプロジェクトで MAM か ZDR を選ぶと、画像・ファイル入力がまれに例外となる範囲を除き、顧客の内容をその記録から外せます。ZDR 非対応の機能では、ZDR を有効にしてもアプリケーション状態が残ることがあります。日本の保存先が要件なら、使う前に OpenAI の営業窓口に確かめます。

Chat Completions のままでも使えますか?

API の利用枠が Free の段でなく、組織とプロジェクトで使えるモデルなら使えます。推論の強さは reasoning_effort で指定します。ただ道具の呼び出しには Responses API が要り、推論の強さが none 以外の時は temperature・top_p・top_logprobs・logprobs を外します。キャッシュの 12 時間の最低保持も Responses API だけで選べます。12 時間は削除期限ではなく、それより長く保持される場合があります。

まとめ

GPT-6.1 Terra は、API の利用枠が Free の段でなく、組織とプロジェクトで使えるなら、モデル ID を替えて使い始められます。Chat Completions で道具を呼ぶ所は Responses API に移し、推論の強さは対応する値ならいまのまま保ち、none 以外で temperature などを送っている所だけ外します。費用はトークン数のほか、キャッシュの区切り方と保持時間で変わり、データレジデンシーは米国と EU だけです。

  • 今日:Chat Completions で道具を呼ぶ所と temperature などを送る所を洗い出し、Codex の CLI の版を確かめる。
  • 今週中:代表的な画像と業務を GPT-5.6 Terra と同じ推論の強さで流し、結果と usage を比べる。Copilot の管理者はモデルポリシーを決める。
  • 今月中:書き込みと読みの件数を分けて自社の件数の料金を計算し直し、データの所在を決める。

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著者:佐藤傑(さとう・すぐる)
株式会社Uravation代表取締役。X(@SuguruKun_ai)フォロワー10万人超。
100社以上の企業向けAI研修・導入支援。著書シリーズ累計66,000部。
SBクリエイティブ「ビジネス+IT」ほかで生成AI連載を執筆(NewsPicks最大1,125ピックス)。

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