Perplexity AI(パープレキシティ)とは:質問に対して出典付きの回答を返すAI検索サービスです。2026年9月時点の構成は4層で、①検索アプリ(Web/iOS/Android・無料プランと有料プラン)、②AIブラウザの Comet(アプリ自体は無料でダウンロード可・アプリ内課金あり)、③複数モデルを束ねて作業を自律実行する Perplexity Computer(Perplexity Max 加入者向け)、④開発者向けAPI(従量課金)です。日本語での質問・回答に対応しており、まず試すなら①の無料プランから。この記事は料金プラン、日本語での基本操作、Comet と Computer の現在地、開発者向けの API 移行期限(Sonar のサポート終了)を、2026年9月4日時点の公式情報で整理しています。
2026年9月4日時点のPerplexityは「検索アプリ・Cometブラウザ・Computerエージェント・開発者向けAPI」の4つに分かれており、開発者側はsonarのChat Completionsが2026年9月27日でサポート終了、Agent APIへの移行期限を迎えます。
- 開発者に最重要: Sonar Chat Completionsは「Sonar will be supported until September 27, 2026」と公式ドキュメントに明記。新規実装は
POST https://api.perplexity.ai/v1/agent(Agent API)で書く - 料金の考え方が変わった: 「1,000リクエストいくら」ではなく、モデルのトークン課金+ツール1回ごとの課金(
web_search$0.0025/回など)。Search APIは1,000リクエストあたり$5.00 - 日本のユーザー向け: App Store(日本)のアプリ内課金表示はPerplexity Pro ¥3,000/¥30,000、Perplexity Max ¥30,000、クレジット購入は500クレジット¥800から。ソフトバンクは「Perplexity Pro for SoftBank」を6ヵ月無料、7ヵ月目以降2,950円/月で提供
対象読者: Perplexityの導入可否を判断する担当者、Sonar APIを使った実装を抱える開発者
難易度: 初級〜中級
読了時間: 約20分
「3月に読んだPerplexityの解説どおりに実装したら、ドキュメントの構成がまるごと違っていた」。2026年に入ってからのPerplexityは、消費者向け・開発者向けのどちらも作り替えが続いていて、半年前の情報がそのまま使えなくなっています。
とくに開発者にとって大きいのは、Sonar Chat Completions(model: "sonar" に messages を渡す、あの書き方)が2026年9月27日でサポート終了を迎えることです。公式ドキュメントの各ページ上部に「Sonar Chat Completions is now Agent API. Sonar will be supported until September 27, 2026.」という警告が出ています。
この記事は、2026年9月4日時点で公式ドキュメント・公式プレスリリース・アプリストアの表示から確認できた情報だけで現行仕様を整理し直したものです。確認できなかった項目は「確認できていない」とそのまま書いています。
なお、ChatGPTやClaudeとどちらを選ぶかという比較はPerplexity vs ChatGPT vs Claude比較で、RAG基盤との使い分けはPerplexity vs Difyで扱っています。本記事はPerplexity単体の中身に絞ります。
Perplexityとは何か — 2026年9月時点の4層構造
Perplexity AIは、質問に対して出典付きの回答を返すAI検索プロダクトとして知られてきました。2026年9月時点では、その一言では収まらない構成になっています。プロダクトは大きく4つの層に分かれます。
| 層 | 正式名称 | できること | 提供形態 |
|---|---|---|---|
| 検索アプリ | Perplexity(Web/iOS/Android) | 出典付きのAI検索、スレッド、Spaces、モデル選択 | 無料+有料プラン |
| ブラウザ | Comet(Comet – AI Browser & Assistant) | ブラウザ内にアシスタントを常駐させ、要約・調べもの・作業補助を行う | アプリ自体は無料でダウンロード可(アプリ内課金あり) |
| エージェント | Perplexity Computer/Portable Computer | 複数モデルを束ねてワークフロー全体を自律実行する | 公式リリースではPerplexity Max加入者向け |
| 開発者向けAPI | Agent API/Search API/Embeddings API/Router API | 自社プロダクトに検索・エージェント機能を組み込む | 従量課金(クレジット購入) |
3月時点の解説記事の多くは1層目(検索アプリ)と旧Sonar APIしか扱っていません。2026年に入って2層目・3層目が加わり、4層目のAPIは設計そのものが置き換わりました。
「Model Council」の位置づけは変わっている
旧版のこの記事を含め、日本語の解説では「Model Councilが質問に応じてバックエンドのモデルを自動で切り替える」と説明されることがありました。2026年9月時点で確認できる範囲では、モデルの扱いは次のようになっています。
- ソフトバンクの「Perplexity Pro」紹介ページには、「GPT-5.4やGemini 3.1 Proなど人気のAIモデルを自由に選べる」「質問内容に合わせて、最適なAIモデルを自動選択することも可能」(自動セレクト機能)と記載されています。同ページには「2026年3月11日時点で対応しているAIモデルの一部」との注記があり、モデル構成は変更されうると明示されています
- Model Councilという名称の機能については、上位プラン向けの機能として各所で紹介されていますが、2026年9月4日時点で公式サイトの該当ページを直接取得できていないため、本記事では仕様として断定しません
どのモデルが裏で動くかを前提に業務フローを組むと、差し替えのたびに前提が崩れます。運用設計はモデル名ではなく「出典付きで返る」「引用元をすぐ開ける」という機能の側に寄せておくのが安全です。
料金プラン — 2026年9月4日時点で確認できた表示
Perplexityの公式料金ページ(www.perplexity.ai/pricing)は、2026年9月4日時点で当方からの自動取得がブロックされており、ページ本文を直接確認できませんでした。そこで本記事では、取得できた一次情報(App Storeのアプリ内課金表示、ソフトバンクの公式サービスページ、API公式ドキュメント)に限って金額を記載します。ドル建ての最新価格は、必ず公式料金ページで各自ご確認ください。
App Store(日本)のアプリ内課金表示
App Storeの日本ストアにおける「Perplexity – 自由に尋ねる」(デベロッパ: Perplexity AI, Inc.)のアプリ内課金一覧は、2026年9月4日時点で次のとおり表示されています。アプリ本体は「無料 · アプリ内購入」です。
| アプリ内課金の表示名 | 価格 |
|---|---|
| Perplexity Pro | ¥3,000 |
| Perplexity Pro | ¥30,000 |
| Perplexity Max | ¥30,000 |
| 500 Credits | ¥800 |
| 1,000 Credits | ¥1,500 |
| 2,500 Credits | ¥4,000 |
| 5,000 Credits | ¥8,000 |
App Storeの一覧表示には課金周期(月額か年額か)が併記されないため、Pro ¥3,000が月額でPro ¥30,000が年額に対応する、といった対応関係はこの表示だけでは確定できません。アプリ内の購入画面で周期を確認してください。ここで押さえるべきは、サブスクリプションとは別に「クレジット」を購入する導線が用意されているという構造の変化です。クレジットはPerplexity Computerの実行に使われます(後述)。
ソフトバンクの「Perplexity Pro for SoftBank」
日本ではソフトバンクがPerplexity Proを取り扱っています。公式サービスページ(softbank.jp)で2026年9月4日時点に確認できる条件は次のとおりです。
- 6ヵ月無料キャンペーン。注記として「7ヵ月目以降は2,950円/月」と明記
- 対象条件は「過去にPerplexity Pro for SoftBankに加入したことがないこと」「過去に1年間無料キャンペーンやその他のPerplexity Proが無料で利用できるキャンペーンを利用していないこと」
- エンタメ特典にエントリーすると、無料期間終了後に月額料金の10%がPayPayポイントで還元される(PayPayポイントは出金・譲渡不可などの条件あり)
- 「サービス内容は同様ですが、Perplexity Pro for SoftBankは請求元がソフトバンクになり」とFAQに記載
- 同ページ上部に「【障害発生】『Perplexity Pro for SoftBank』の申し込みができない状況について」という告知が掲載されています(2026年9月4日確認)
法人でまとめて契約する場合にこの経路は使えませんが、個人で試す段階ならキャリア経由の無料期間で使用感を確かめる手はあります。
法人・エンタープライズ向けの扱い
Enterprise向けプランについては、2026年9月4日時点で公式ページを直接取得できていないため、本記事では座席単価やシート最低数を記載しません。開発者向けAPIのセキュリティ関連の記述は公式ドキュメントで確認できているため、後述の「業務利用で確認すべきこと」で扱います。エンタープライズ調達については、API公式ドキュメントにAWS Marketplace経由でのAPIクレジット購入と、営業への問い合わせフォームへの導線が用意されています。
Perplexityの使い方 — 日本語での基本操作
質問の投げ方は「条件を先に固定する」
Perplexityは自然文の質問を受け取り、Web検索の結果を統合して出典付きの回答を返します。日本語で使うときにいちばん効くのは、回答の形式と情報源の範囲を最初に指定してしまうことです。
# 情報が散る聞き方
Perplexity 料金 2026
# 条件を固定した聞き方(形式・出典・期間を指定)
Perplexityの有料プランについて、次の条件で調べてください。
- 情報源: perplexity.ai 公式ページと公式ドキュメントのみ
- 出力: プラン名/月額/年額/主な差分 の表形式
- 各行に参照した URL を必ず付ける
- 公式に記載がない項目は「記載なし」と書く
# 期間を絞る聞き方(更新の速いトピック向け)
過去30日以内に公開された情報だけを対象に、
Perplexity の API 仕様変更をまとめてください。
古い情報を含める場合は、その旨と公開日を明記してください。
とくに「公式に記載がない項目は『記載なし』と書く」という一文は、AI検索全般で有効です。埋めようとして周辺情報から推測した文章が混ざるのを、明示的に止められます。
モデル選択と自動セレクト
有料プランでは回答に使うモデルを選べます。前述のとおり、ソフトバンクの公式ページでは「GPT-5.4やGemini 3.1 Proなど人気のAIモデルを自由に選べる」「質問内容に合わせて、最適なAIモデルを自動選択することも可能」と説明されています(2026年3月11日時点の対応モデルに関する記載)。
使い分けは単純です。Webの情報を集めて出典を付けるのが主目的なら自動セレクトで十分、込み入った論点整理のときだけ推論の強いモデルを選ぶ。モデル名は入れ替わるので、社内マニュアルに固定で書き込まないほうが保守が楽です。
Spacesでリサーチを整理する
過去のスレッドをプロジェクト単位で整理する機能は、現在はSpacesという名称で提供されています(旧記事で「Collections」と紹介していた機能に相当します)。スペース単位で共有設定を持てるため、「調査テーマごとにスレッドをまとめ、必要なものだけ共有する」という運用ができます。
作成手順や共有権限の細目は、2026年9月4日時点で公式ヘルプページを直接取得できていないため断定を避けます。アプリ内の「Spaces」から新規作成してスレッドを紐づける流れを起点に確認してください。
Comet — 無料で使えるAIブラウザの現在地
Cometは、Perplexityが提供するAIアシスタント内蔵ブラウザです。2026年9月4日時点でApp Storeの日本ストアに「Comet – AI Browser & Assistant」(デベロッパ: Perplexity AI, Inc.)が掲載されており、価格表示は「無料 · アプリ内購入」です。
ストアに掲載されているPerplexity自身の説明文では、Cometは次のように位置づけられています。
「Cometは、パーソナルアシスタントや思考パートナーとして機能するAI搭載ブラウザです。集中力を高め、ワークフローを合理化し、好奇心を勢いに変えましょう。」「すべてのサイトで統合AI検索、インスタントコンテキスト、自動化を実現。ブラウザで直接、要約、ショッピング、スケジュール、調査を行えます。」(App Store掲載のアプリ説明より)
更新履歴を見ると、2026年8月22日のバージョン26.32.0で「Spotlight の Comet」「Handoff」「ピン留めしたタブ」、その後のバージョンで「パスワードマネージャー」「ショートカットアプリ(11個のCometアクション)」が追加されています。実験的なAIブラウザではなく、日常ブラウザとして必要な機能を埋めにきている段階です。
ブラウザ同士の比較はAIブラウザ比較の記事に、Cometのエージェントが他社サイトへアクセスする件の法的な扱い(Amazonとの訴訟と第9巡回区の判断)はPerplexity Comet逆転の記事にまとめています。業務でログイン後の操作をさせる予定があるなら、後者を先に読んでおくことをおすすめします。
Perplexity Computer — 「回答」から「作業の実行」へ
2026年に入って追加された、Perplexityの中でもっとも性格の違うプロダクトがPerplexity Computerです。PR TIMESで配信されたPERPLEXITY AI, INC.名義の公式リリース(2026年2月27日)では、次のように説明されています。
- 19のAIモデルを統合し、リサーチから成果物の生成までワークフロー全体を自律実行する基盤
- タスクを自動で分解し、非同期並列で実行する
- ファイルシステム、CLIツール、ブラウザアクセス、外部コネクタ、永続メモリを統合する
- 提供対象はPerplexity Max加入者。Enterprise Max向けは追随予定と記載
- CEOのAravind Srinivas氏のコメントとして「重要なのは、複数モデルを統合し、タスクとツールを横断して実行できるシステム」
そして2026年8月には、これをローカル実行するPortable Computerが発表されたと国内メディア(マイナビニュース、AI Watchなど)が報じています。NVIDIAと共同開発し、DGX Spark向けのLinux版から提供、という内容です。この件は本記事執筆時点で公式発表ページを直接取得できていないため、報道ベースの情報として扱ってください。
開発者はMCP経由でComputerを呼べる
Computerは、公式ドキュメントに記載のあるMCPサーバー経由で、手元のコーディングエージェントから呼び出せます。ここは公式ドキュメントで確認できる領域です。
# Perplexity Computer MCP サーバーの登録(公式ドキュメント記載のコマンド)
# 動作環境: Claude Code CLI がインストール済みであること
claude mcp add perplexity-computer --transport http https://www.perplexity.ai/rest/computer/mcp
# Codex の場合
codex mcp add perplexity-computer --url https://www.perplexity.ai/rest/computer/mcp
公式ドキュメントによると、この接続の認証はAPIキーではなくPerplexityアカウントのOAuth 2.0で行われ、利用分はPerplexityアカウントのクレジットから消費されます(残高不足の場合はinsufficient_creditsが返る)。App Storeでクレジットの購入導線が用意されている理由もここにつながります。
ドキュメントに明記されている挙動のうち、実装時に効くものを挙げます。
- スレッド継続: 最初の呼び出しで
thread_idが返り、以降はそれを渡して同じ作業を続ける - 対話チェックポイント:
ask_user_question/confirm_action/auth_requiredといったイベントが返り、それぞれ対応するツール(answer_question、confirm_action_approveなど)で応答する - 添付ファイル:
create_attachment_uploadでS3の署名付きPOSTを取得して直接アップロードする。1ファイルあたり最大200MB - タイムアウト:
timeoutが返っても処理は継続している可能性があるため、同じthread_idで再度呼び出して状況を確認する
MCP経由のエージェント連携の設計は、n8n×AIエージェントの記事のワークフロー設計と同じ考え方が使えます。
【重要】Sonar APIは2026年9月27日でサポート終了 — Agent APIへの移行
ここからが、2026年3月時点の解説記事がもっとも役に立たなくなっている領域です。公式ドキュメントの主要ページ上部には、次の警告が常時表示されています。
「Sonar Chat Completions is now Agent API. Sonar will be supported until September 27, 2026.」(Perplexity公式ドキュメント/2026年9月4日確認)
つまり、model: "sonar" と messages 配列を渡して choices を受け取る、従来のChat Completions形式の実装は、期限つきの資産になりました。公式の移行ガイドでも「既存のSonar Chat Completionsの利用はAgent APIへ移行する」「新規プロジェクトはAgent APIを使う」と推奨されています。
何が変わるのか(リクエストとレスポンスの形)
公式移行ガイドの説明はシンプルです。Sonarはmessagesを受け取ってchoicesを返す。Agent APIはinputを受け取り、モデルが踏んだステップごとに1要素が並ぶoutput配列を返す(回答本文はmessage要素、情報源はsearch_results要素)。
# 旧: Sonar Chat Completions(2026年9月27日までのサポート)
# 動作環境: Python 3.9以降 / pip install perplexityai
from perplexity import Perplexity
client = Perplexity()
completion = client.chat.completions.create(
model="sonar",
messages=[{"role": "user", "content": "What are the latest developments in AI agents?"}]
)
print(completion.choices[0].message.content)
# 新: Agent API(プリセットを使う最小構成)
# 動作環境: Python 3.9以降 / pip install perplexityai
# 認証: 環境変数 PERPLEXITY_API_KEY を設定しておく(キーのハードコードは避ける)
from perplexity import Perplexity
client = Perplexity()
response = client.responses.create(
preset="fast",
input="What are the latest developments in AI agents?"
)
print(response.output_text)
# 新: Agent API(モデルを明示指定 + Web検索ツールを絞り込む)
# cURL の例。エンドポイントは /v1/agent
curl https://api.perplexity.ai/v1/agent \
-H "Authorization: Bearer $PERPLEXITY_API_KEY" \
-H "Content-Type: application/json" \
-d '{
"model": "openai/gpt-5.5",
"input": "What are the most promising machine learning breakthroughs in computer vision and multimodal AI from recent arXiv publications?",
"tools": [
{
"type": "web_search",
"filters": {
"search_domain_filter": ["arxiv.org"],
"search_recency_filter": "month"
}
}
],
"instructions": "You have access to a web_search tool. Use it for current information."
}' | jq
SDKにはoutput_textという便利プロパティがあり、response.outputを走査しなくても本文テキストをまとめて取得できます。本番環境に反映する前に、必ずテスト環境で動作確認してください。
プリセット(fast/low/medium/high/xhigh)
Agent APIの特徴がプリセットです。モデル・検索設定・推論ステップ・システムプロンプト・利用ツールをまとめた構成で、公式ドキュメントには「Agent API presets now use tier-based names: fast-search → fast, pro-search → low, deep-research → medium, advanced-deep-research → high, and ultra → xhigh」と、旧名称との対応が明記されています。
- 動的プリセット:
preset="low"のように名前で呼ぶ。Perplexity側の改善が自動的に反映される - フリーズ構成: プリセットの現在値(モデル・ツール・システムプロンプト・パラメータ)をリクエストに書き写し、
presetを指定しない。将来の更新から切り離せる - 公式は「プリセットにバージョン固定はない。名前で呼ぶと常に最新の推奨構成に解決される」と明記。再現性が要る用途はフリーズ構成にする
2026年8月の変更履歴には「fastプリセットはopenai/gpt-5.6-luna+minimalの推論努力+優先処理を使う」「優先処理は標準トークン価格の2倍」と記載されています。プリセット任せにすると、価格帯は維持されるものの中身は動きます。
Search API・CLI・MCPサーバー
「回答生成はいらない、検索結果だけほしい」という用途には、Search APIが独立して用意されています。
# Search API: 生の検索結果を取得する
# 動作環境: Python 3.9以降 / pip install perplexityai
from perplexity import Perplexity
client = Perplexity()
search = client.search.create(
query="GPT-5.5 release announcement details",
max_results=5, # 1〜20(既定10)
search_context_size="high" # low / medium / high
)
for result in search.results:
print(f"{result.title}: {result.url}")
ターミナルから叩きたい場合はpplxコマンド(Perplexity CLI)があります。公式ドキュメントの例は次のとおりです。
# Perplexity CLI(Search API の結果を JSON で返す)
export PERPLEXITY_API_KEY="your_api_key_here"
pplx search web "what is a bloom filter" -n 2
大量の裏取りを1リクエストで回すwide-researchプリセットも公式ドキュメントに掲載されています(実行に数分かかるためbackground=Trueで投げ、IDでポーリングし、生成ファイルをダウンロードする流れ)。
さらに、2026年7月の変更履歴にはリモートMCPサーバー(https://api.perplexity.ai/mcp)の提供開始が記載されています。Streamable HTTPに対応したMCPクライアントであれば、APIキーをbearerトークンとして渡すだけで接続でき、ローカルインストールは不要です。同じくMCP Server 1.0では、perplexity_askがfast、perplexity_reasonがmedium、perplexity_researchがhighのプリセットを使う構成に変わりました。
API料金 — 「1,000リクエストいくら」ではなくなった
旧版のこの記事には「sonarは$1/1,000リクエスト、sonar-proは$5/1,000リクエスト」と書いていましたが、現行の公式料金ページの構成はまったく違います。Agent APIはモデルのトークン課金+ツール1回ごとの課金、Search APIはリクエスト課金、Sonarはトークン課金+検索コンテキストサイズ別のリクエスト手数料という3系統です。
Agent APIのツール課金(公式料金ページ)
| ツール | 価格 | 内容 |
|---|---|---|
web_search |
$0.0025/回 | Web検索の実行 |
fetch_url |
$0.0005/回 | 指定URLの取得・本文抽出 |
people_search |
$0.005/回 | 人物・従業員の検索 |
finance_search |
$0.005/回 | 金融データ・市況の取得 |
sandbox |
$0.03/セッション | コード実行用の隔離コンテナ。最大20分の課金ウィンドウ。サンドボックス内の検索は1回$0.0025 |
モデルのトークン単価は別建てです。公式のモデル一覧から一部を挙げると、anthropic/claude-opus-5は入力$5・出力$25(100万トークンあたり、以下同じ)、anthropic/claude-sonnet-5は入力$2・出力$10、openai/gpt-5.6-lunaは入力$0.20・出力$1.20、perplexity/glm-5.3は入力$1.40・出力$4.40、perplexity/nemotron-3.5-lightning-30b-a3bは入力$0.0115・出力$0.17です。2026年8月の変更履歴ではgoogle/gemini-3.7-flashが入力$0.375・出力$1.875のローンチ価格で追加されたと記載されています。
公式が掲載している試算例
金額感をつかむには、公式ドキュメントの「Cost Examples」がそのまま使えます(以下は公式掲載の試算例であり、当方の実測値ではありません)。
| 条件 | 内訳 | 合計 |
|---|---|---|
openai/gpt-5.2・入力500トークン・出力200トークン・Web検索1回 |
入力$0.000875/出力$0.0028/web_search$0.0025 |
$0.006175 |
lowプリセットの代表的な実行・入力2,000トークン・出力1,000トークン・検索1回とURL取得1回 |
入力$0.001/出力$0.003/web_search$0.0025/fetch_url$0.0005 |
$0.007 |
完了したレスポンスにはusage.cost.total_costが入るため、見積もりではなく実際の課金額をそのまま記録できます。最初からログに落としておくと後のコスト分析が楽です。
Search APIとEmbeddings API
Search APIは1,000リクエストあたり$5.00。公式の注記によると、課金単位はPOST /searchのリクエスト単位で、最大5クエリを1リクエストにまとめても課金は1件です。無効なリクエスト、レート制限にかかったリクエスト、上流の失敗は課金されません(結果が0件でも成功レスポンスは課金対象)。
Embeddings APIの単価は、pplx-embed-v1-0.6b(1024次元)が100万トークンあたり$0.004、pplx-embed-v1-4b(2560次元)が$0.03、文脈付きのpplx-embed-context-v1-0.6bが$0.008、pplx-embed-context-v1-4bが$0.05です。検索の後段で並べ替えまで設計するなら、リランク・ハイブリッド検索の記事も併せてどうぞ。
Sonarを使い続ける場合の料金(期限つき)
| モデル | 入力(100万トークン) | 出力(100万トークン) | リクエスト手数料(1,000件・Low/Medium/High) |
|---|---|---|---|
| Sonar | $1 | $1 | $5/$8/$12 |
| Sonar Pro | $3 | $15 | $6/$10/$14 |
| Sonar Reasoning Pro | $2 | $8 | $6/$10/$14 |
| Sonar Deep Research | $2 | $8 | 引用トークン$2/推論トークン$3(各100万)、検索クエリ$5(1,000件) |
Sonar Proのpro検索タイプ(複数ステップのツール利用)を有効にすると、リクエスト手数料は1,000件あたり$14/$18/$22に上がり、stream: trueが必須になります。いずれにせよ2026年9月27日で期限を迎えるため、新規実装でこの表を前提にしないでください。
レート制限は「利用ティア」で決まる
旧版に書いていた「50リクエスト/分(Pro APIプラン)」という固定値も、現在は累計購入額に応じたティア制になっています。
| ティア | 累計クレジット購入額 | Agent API QPS | Agent API 毎分リクエスト |
|---|---|---|---|
| Tier 0 | $0 | 1 QPS | 50/分 |
| Tier 1 | $50以上 | 3 QPS | 150/分 |
| Tier 2 | $250以上 | 8 QPS | 500/分 |
| Tier 3 | $500以上 | 17 QPS | 1,000/分 |
| Tier 4 | $1,000以上 | 33 QPS | 4,000/分 |
| Tier 5 | $5,000以上 | 33 QPS | 8,000/分 |
ティアは累計購入額で自動的に上がり、一度到達すると下がりません。Search APIのレート制限はティアと独立で、POST /searchに対して毎秒50クエリ単位(バースト50クエリ単位)。5クエリを束ねたリクエストは、課金は1件でもレート制限は5単位を消費します。ここは設計時に取り違えやすい箇所です。
業務利用で確認すべきこと — データの扱いと保証範囲
社内導入の可否を判断する材料として、公式ドキュメントに明記されている項目だけを整理します。ここは推測を混ぜず、原文どおりに読むべき箇所です。
APIのデータ保持と学習利用
- 公式FAQ: 「We do not retain any query data sent through the API and do not train on any of your data.」(APIに送られたクエリデータは保持せず、学習にも使わない)
- ホスティング: 「Our compute is hosted via Amazon Web Services in North America. By default, the API has zero day retention of user prompt data, which is never used for AI training.」(北米のAWS上。既定でプロンプトデータのゼロデイ保持)
- 収集される情報として挙げられているのは、課金に関わる利用メタデータ(リクエスト数・トークン数)とアカウント情報(氏名・メールアドレス等)
認証・コンプライアンス
- 公式FAQ記載: SOC 2 Type IIレポート、2025年のHIPAAギャップアセスメント、CAIQliteのクラウドセキュリティ評価。DPAやGDPR対応の文書はPerplexity Trust Centerから入手可能とされています
- 可用性については、公式FAQに「Does Perplexity Provide Service Quality Assurances…?」という項目があり、回答は「We do not guarantee this at the moment.」。つまり稼働率・復旧時間の保証は現時点で提供されていません
ここが実務上の分かれ目です。「学習に使われないこと」は明記されている一方、「止まらないこと」は保証されていない。基幹業務のクリティカルパスに置くなら、フォールバック(別モデル、キャッシュ済み結果、手動運用への切り戻し)を先に設計しておく必要があります。Agent APIにはmodel_fallbackの仕組みもドキュメント化されています。
消費者向けプラン(無料・Pro・Max)のデータ扱い
上記はいずれもAPIプラットフォームに関する記述です。無料版・Pro・Maxといった消費者向けプランのデータ利用ポリシーは、2026年9月4日時点で公式ヘルプページを直接取得できておらず、本記事では断定できません。社内展開の前に、公式のプライバシーポリシー(perplexity.ai/hub/legal/privacy-notice)とアプリ内の設定を必ず確認し、情報システム部門の承認を取ってください。
ChatGPT検索・Google AI Modeとの違いをどう捉えるか
2026年9月時点では、「AI検索ができるかどうか」でツールを選ぶ意味はほとんどなくなりました。ChatGPTもGeminiも検索と深掘り調査の機能を持っています。差が残っているのは、次の2点です。
- 出典の見せ方が製品の中心にあるか: Perplexityは回答の近くに引用元を常時提示し、根拠へワンタップで飛ぶ動線をプロダクトの中心に置いています。裏取りを前提とした業務では、この動線の差がそのまま作業時間の差になります
- 作業の実行までカバーするか: Perplexityは検索アプリの外側にComet(ブラウザ)とComputer(エージェント)を積み、「調べる」から「作業を終わらせる」までを1社で抱える方向に進んでいます
逆に、対話の自然さ・長文生成・コード生成といった軸では、他社の主力モデルが優位に立つ場面が多くあります。実際、Agent APIそのものがOpenAI・Anthropic・Google・xAI・Z.AI・Moonshot AI・NVIDIAのモデルを呼べる設計になっており、Perplexity自身が「1社のモデルで全部を賄う」構図から降りています。用途別の詳細な比較はPerplexity vs ChatGPT vs Claude比較を参照してください。
やりがちな失敗と、その回避策
1. 期限つきのSonar実装を新規に増やしてしまう
| やりがちなミス | 正しい進め方 | |
|---|---|---|
| ❌ | ネット上のサンプルをコピーしてmodel: "sonar"+messagesで新規実装を書く |
|
| ⭕ | 新規はPOST /v1/agent(Agent API)で書く。既存実装は2026年9月27日を期限として移行計画を立てる |
2. プリセットを本番の再現性の土台にしてしまう
| やりがちなミス | 正しい進め方 | |
|---|---|---|
| ❌ | preset="fast"のまま、出力の形式や単価が変わらない前提でテストを書く |
|
| ⭕ | 再現性が必要な箇所はプリセットの現在値を書き写したフリーズ構成にする。動的プリセットは改善を自動で取り込みたい箇所に限定する |
3. 出典番号が付いているだけで裏取り済みだと思う
| やりがちなミス | 正しい進め方 | |
|---|---|---|
| ❌ | [1][2]が付いた回答を、そのまま社内資料の数値として転記する | |
| ⭕ | 出典は「この情報の取得元」を示すもの。金額・統計・日付は引用元を開き、一次情報の記載と1対1で突き合わせる |
4. Search APIの課金単位とレート単位を同じだと思い込む
| やりがちなミス | 正しい進め方 | |
|---|---|---|
| ❌ | 「5クエリまとめれば1件分だから、レート制限も1件分」と見積もる | |
| ⭕ | 課金は1リクエスト=1件、レート制限はクエリ数分を消費する。バッチ処理の並列度は後者を基準に決める |
5. モデル名を前提に社内マニュアルを書く
| やりがちなミス | 正しい進め方 | |
|---|---|---|
| ❌ | 「◯◯を選んでから質問すること」と特定モデル名で手順書を作る | |
| ⭕ | 対応モデルは入れ替わる前提で、「自動セレクトを使う/出典を必ず開く」といった操作と検証手順で手順書を書く |
よくある質問
Perplexityは無料で使えますか?
使えます。App Storeの日本ストアでも、Perplexity本体アプリとCometブラウザはいずれも「無料 · アプリ内購入」と表示されています(2026年9月4日確認)。有料プランはアプリ内課金またはWebから加入します。
無料版は1日に何回まで使えますか?
2026年9月4日時点で、無料版の回数上限を記載した公式ヘルプページを直接確認できていないため、本記事では具体的な回数を書きません。上限はプロダクト更新に伴って変わりやすい項目です。アプリ内の表示で現行の条件を確認してください。
ProとMaxの違いは何ですか?
公式に確認できている差分は、Perplexity Computerの提供対象がMax加入者であるという点です(2026年2月27日のPERPLEXITY AI, INC.名義のプレスリリース。Enterprise Max向けは追随予定と記載)。それ以外の細目は公式ページを直接取得できていないため、本記事では断定しません。
日本語でも使えますか?
使えます。App Storeの言語欄には日本語を含む51言語が掲載されています。ソフトバンクが日本国内向けに「Perplexity Pro for SoftBank」を提供している点も、日本語環境での利用を前提とした導線です。
APIの料金はいくらですか?
単一の定額ではありません。Agent APIは選んだモデルのトークン課金+ツール1回あたりの課金(web_searchは$0.0025/回など)、Search APIは1,000リクエストあたり$5.00です。公式の試算例では、GPT-5.2で入力500トークン・出力200トークン・Web検索1回のリクエストが合計$0.006175とされています。
今あるSonarのコードはいつまで動きますか?
公式ドキュメントの表記は「Sonar will be supported until September 27, 2026.」です。それ以降の扱いについては公式の追加告知を確認してください。移行先はAgent API(POST /v1/agent)で、公式に移行ガイドが用意されています。
Cometを業務で使ってよいですか?
ブラウザのエージェントに、ログイン後の画面や他社サービス上での操作をさせる場合は、利用規約と法的論点の確認が先です。Amazonとの係争と第9巡回区の判断についてはPerplexity Comet逆転の記事に時系列でまとめています。
まとめ: 今日から始める3つのアクション
2026年9月時点のPerplexityは、「出典付きで答えるAI検索」から「調べて、開いて、作業を終わらせる」までを抱える構成に変わりました。開発者にとっては、9月27日というSonarのサポート期限が目の前にあります。
- 今日やること: 自社のコードベースを
api.perplexity.ai/chat/completionsとmodel="sonar"で検索し、該当箇所を洗い出す。1件でもあれば期限つきの資産です - 今週中: 洗い出した1本を
preset="fast"のAgent API呼び出しに書き換えて、レスポンス形式(output配列・output_text)とusage.cost.total_costのログ出力までをテスト環境で確認する - 今月中: 業務利用の可否を判断する材料として、公式FAQのデータ保持の記述(ゼロデイ保持・学習不使用)と、稼働保証がない点をセットで社内に共有し、フォールバック方針まで決める
この記事を読んで導入イメージが固まってきた方へ
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佐藤傑(さとう・すぐる)
株式会社Uravation代表取締役。X(@SuguruKun_ai)フォロワー約10万人。100社以上の企業向けAI研修・導入支援を実施。著書『AIエージェント仕事術』(SBクリエイティブ)。
「テクノロジーをわかりやすく」をモットーに、最新のAIツールやトレンドを実務者目線で解説しています。
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参考・出典
- Perplexity API ドキュメント「Migrate from Sonar to the Agent API」(Sonarのサポート期限・移行手順): https://docs.perplexity.ai/docs/agent-api/migrate-from-sonar/overview — Perplexity AI(参照日: 2026-09-04)
- Perplexity API ドキュメント「Pricing」(Agent APIツール課金・Search API・Sonar・Embeddings・試算例): https://docs.perplexity.ai/docs/getting-started/pricing — Perplexity AI(参照日: 2026-09-04)
- Perplexity API ドキュメント「Rate Limits & Usage Tiers」(ティア別のQPS・毎分リクエスト): https://docs.perplexity.ai/docs/admin/rate-limits-usage-tiers — Perplexity AI(参照日: 2026-09-04)
- Perplexity API ドキュメント「Changelog」(2026年7〜8月の追加モデル・Router API・リモートMCPサーバー): https://docs.perplexity.ai/docs/resources/changelog — Perplexity AI(参照日: 2026-09-04)
- Perplexity API ドキュメント「Frequently Asked Questions」(データ保持・学習利用・SOC 2 Type II・稼働保証): https://docs.perplexity.ai/docs/resources/faq — Perplexity AI(参照日: 2026-09-04)
- Perplexity API ドキュメント「Perplexity Computer MCP Server」(OAuth認証・クレジット消費・添付上限): https://docs.perplexity.ai/docs/getting-started/integrations/computer-mcp-server — Perplexity AI(参照日: 2026-09-04)
- Perplexity API ドキュメント「Presets」「Perplexity CLI」「Wide Research」: https://docs.perplexity.ai/docs/agent-api/presets — Perplexity AI(参照日: 2026-09-04)
- プレスリリース「Perplexity、マルチモデル統合型AI基盤『Perplexity Computer』を発表」(2026年2月27日): https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000020.000157647.html — PERPLEXITY AI, INC./PR TIMES(参照日: 2026-09-04)
- 「Perplexity Pro」サービスページ(6ヵ月無料キャンペーン・7ヵ月目以降2,950円/月・対応モデルの注記): https://www.softbank.jp/mobile/service/perplexity-ai/ — ソフトバンク(参照日: 2026-09-04)
- App Store「Perplexity – 自由に尋ねる」(アプリ内課金の表示・対応言語): https://apps.apple.com/jp/app/perplexity-%E8%87%AA%E7%94%B1%E3%81%AB%E5%B0%8B%E3%81%AD%E3%82%8B/id1668000334 — Apple/Perplexity AI, Inc.(参照日: 2026-09-04)
- App Store「Comet – AI Browser & Assistant」(価格表示・アプリ説明・更新履歴): https://apps.apple.com/jp/app/comet-ai-browser-assistant/id6748622471 — Apple/Perplexity AI, Inc.(参照日: 2026-09-04)
- 「Perplexity、ローカル実行型AIエージェント『Portable Computer』発表 NVIDIAと共同開発」(2026年8月26日): https://news.mynavi.jp/article/20260826-4869384/ — マイナビニュース(参照日: 2026-09-04)
